Jストリームは2025年8月1日、九州産業大学 下川研究室およびGeolocation Technologyとともに、ジオロケーションデータを活用したトラフィックコントロールの高度化に関する共同研究を開始したと発表した。研究期間は2025年8月から2026年3月まで。
同研究は、IPアドレスと都道府県情報をマッピングしたジオロケーションデータを用いて、CDNにおける配信先の最適化を図るもの。具体的には、地域ごとの接続拠点(PoP)でトラフィックの折り返し処理を可能にするDNSサーバーの判別処理を新たに開発し、Jストリームの一部サービスに適用する。これにより、配信品質の向上やネットワークコストの削減効果を検証する。
研究成果の適用後イメージ
下川研究室が有する広域負荷分散技術、Geolocation Technologyのデータ精度、JストリームのCDN運用ノウハウを組み合わせることで、データ通信量の急増に対応し得る高度なトラフィック制御の実現を目指す。
Jストリームは同研究において、DNSサーバーに実装する新判別処理への技術助言、商用ネットワーク構成やロードバランスに関する情報提供、実験用ネットワークやサーバー環境の提供などを担当。下川研究室が開発するソフトウェアの商用展開に向けた実用性向上を支援する。
またGeolocation Technologyは、ジオロケーションデータを提供するとともに、地域別に最適な配信先を選定するための基盤技術として、IPアドレスに対する地理情報の精度や共有範囲の考え方に関する技術的サポートを提供する。
研究成果は、コンテンツの地産地消を支える基盤技術としての活用も見込まれており、将来的には他組織との連携拡大や商用サービスへの実装も視野に入れるとしている。