Wi-Fi HaLowやStarlinkでスマート農業 IIJらが2種類の農業ロボット開発へ

インターネットイニシアティブ(IIJ)やテムザックらが、再生二期作などに対応した「収穫ロボット」や、鳥獣害対策や除草、種蒔き、肥料散布などを1台でこなす「マルチケースロボット」の開発に着手する。また、Wi-Fi HaLowやStarlink経由で取得した現地の映像をAIで解析し、ロボットへの人・動物の接近や盗難リスクなどを管制センターへ通知する実証も行う。

インターネットイニシアティブ(IIJ)、テムザック、パルシベイト、コヤワタオフィスは2025年7月23日に記者説明会を開催し、ロボットやAI、無線技術などを活用した「省力化稲作支援サービス」の実証プロジェクトを6月より開始したと発表した。

(左から)IIJ ネットワークサービス事業本部 IoTビジネス事業部 副事業部長 齋藤透氏、テムザック 常務取締役 瀬戸口純一氏

(左から)IIJ ネットワークサービス事業本部 IoTビジネス事業部 副事業部長 齋藤透氏、テムザック 常務取締役 瀬戸口純一氏

今回の実証プロジェクトは、総務省の「地域社会DX推進パッケージ事業(先進無線システム活用タイプ)」に採択されたもの。IIJがプロジェクト全体を統括し、テムザックは後述する農業ロボット、パルシベイトは作業マッチングシステム、コヤワタオフィスは集中管制システムの開発などを担当する。

まずは、農作業の自動化・省力化を実現するための農業ロボットの開発に取り組み、「収穫ロボット」と「マルチケースロボット」という2つのロボットを、今年10月初旬を目途に開発する。

収穫ロボットは、一度収穫した後に再び同じ田んぼで二回目の稲作を行う「再生二期作」や、乾燥した土地で稲を栽培する「陸稲」にも対応予定。開発を担当するテムザック 常務取締役の瀬戸口純一氏によれば、「軽トラで運べるサイズ感で、特別な資格や技能がなくても扱えるように開発を進めている」。

マルチユースケースロボットについては、鳥獣害対策や除草の一部に対応できるロボットを開発する。テムザックでは、検知した鳥獣などに対して高圧放水を行ったり、水中の泥を巻き上げて光合成を防ぐことで雑草の生育を抑制する機能を備えたロボットを開発しており、こうした技術をマルチユースケースロボットに実装していきたい考えだ。

将来的には、「作業部を変更することで、種まきや肥料散布などの幅広い作業に対応できるロボットの開発を目指す」と瀬戸口氏は説明した。

2種類の農業ロボットを開発

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