では、社内SNSと従来の企業内電話システムはどのような関係にあるのだろうか。NECの柿澤氏は、次のように見る。
「電話はリアルタイムの音声による1対1のコミュニケーションツール。社内SNSとは補完しあう関係だ。話す時間が合わない営業担当社員と社内にいる企画担当社員とのコミュニケーションや、多人数で議論したいなどの場合に社内SNSが有効。企業内電話システムの商談において社内SNSと組み合わせて提案することができるようになる」
配慮すべきことは、社内SNSは売り切りの商品ではないということだ。ユーザーは運用後のアドバイスを欲している。ユーザー企業が社内SNSの導入を成功に導くためにはノウハウを積んだSIerやNIerの役割が欠かせない。図表4はユーザーのための指針だが、SIer/NIerにも役立つはず。ITRの舘野氏はこう指摘する。「企業は音声通信とデータ系ネットワークの一体化を進めている。しかし、ユーザーにもベンダーにも深い知識をもつ人が足りない。コミュニケーションシステムを提供するベンダーは、SNSやツイッター、インスタントメッセージなどのデータ系コミュニケーションシステムを勉強することが必須と考えている」。音声系とデータ系コミュニケーションシステムそれぞれの特徴を生かしたトータルソリューションを提供するSIer/NIerが出現すること。それこそがユーザー企業が求めていることなのではないだろうか。
図表3 社内SNSの導入を成功させるためのポイント [クリックで拡大] |
第1回「社内SNSで「経営層」と「現場」が一体に――損保ジャパンが「社員いきいきコミュニティ」を始めた理由」
第2回「NTTデータとイプサの成功に学ぶ「社内SNS」導入のポイント」