イクシアコミュニケーションズは2013年3月25日、4G LTEネットワークの可視化を支援するソリューション「Anue GTPセッション・コントローラー(Anue GSC)」を発表した。4G LTEネットワークをより適切に把握・管理できるようになり、ユーザーエクスペリエンスの向上に貢献するという。
Anue GTP Session Controller 7433 |
Anue GSCは、単体で機能するネットワーク可視化ソリューションではなく、別の監視装置と連携して機能する製品だ。従来、監視装置で行っていたGTPセッションの相関管理処理を、Anue GSCにオフロードできる。
GTP(GPRS Tunneling Protocol)とは、4G LTEや3Gネットワークで用いられているプロトコルだ。制御信号の「GTP-C」と、実際のユーザーデータである「GTC-U」の2種類のパケットで構成される。ユーザーエクスペリエンスを正確に把握するためには、同一セッションのGTP-CとGTP-Uをきちんと関連付けてモニタリングする必要があるが、イクシアコミュニケーションズによると次の課題があったという。
「監視システムのキャパシティを増やすために監視装置を追加しても、あるポイントを超えると処理能力がリニアには向上しなくなる」(ネットワークビジビリティ・ソリューション営業本部 本部長の橋口博一氏)
携帯電話事業者は急増するトラフィックに対して、監視装置の台数を増やすことでスケーラビリティを確保してきた。しかし、監視装置の台数が一定以上に増えると、セッションの関連付け作業が複雑になりすぎ、監視装置を追加してもなかなか処理能力が上がらなくなるのだという。
この問題を解決するためのソリューションがAnue GSCである。Anue GSCでは、セッションの関連付け作業を行い、特定セッションに関連する全パケットを同一の監視装置に送出する。監視装置はセッションの関連付け作業をオフロードでき、分析作業に特化することが可能。関連付け作業の複雑化という問題を回避できることから、効率的に監視システムの処理能力を拡張していくことができる。
なお、Anue GSCは3Gと4G LTE間のハンドオーバーも処理可能。32ポート構成の場合で、数百万加入者のセッションを処理できるという。価格は3500万円(最小構成)~となっている。