AGVメーカーの坂井電機も熱視線 ローカル5Gで「発想が変わる」
こうしたマグナ・ワイヤレスの製品群の評価はうなぎのぼりだ。「実証実験の数は100件を超え、工場などの各現場で我々の製品が使われ始めています」と取締役 COO 事業責任者 工学博士の池田博樹氏は胸を張る。
(左から)マグナ・ワイヤレス ビジネスデベロップメント セールス・コンサルタント 櫻庭泉氏、取締役 COO 事業責任者 工学博士 池田博樹氏、マネージャー&5Gエキスパート 藤野学氏、シニアコンサルタント 石川肇氏
同社のローカル5G製品に太鼓判を押す1社が、東芝グループだ。「MC-001やAU-700の超低遅延・低ジッターという特徴をお話ししたところ、高い興味を持っていただきました」と池田氏。これらをどう使うかは検討中だというが、分散型アンテナ(DAS)への活用などが俎上にのぼっているそうだ。
ある国内大手メーカーとは、エイビット時代から工場内でのローカル5G構築に向けた実証を行っている。製造業の工場では、生産設備の遠隔監視やAGV(自動搬送ロボット)の制御等にWi-Fiが用いられるケースも多いが、各アクセスポイント(AP)間の電波干渉や通信の安定性に対する懸念が残る。そこで同社は、Wi-Fiの代替策としてローカル5Gに着目。なかでも低遅延と低ジッターを両立させたマグナ・ワイヤレスの製品群に白羽の矢が立ったというわけだ。
東芝以外にも、ロボットメーカーから多くの引き合いが寄せられているとのことだ。その1社が、AGVの開発を手掛ける坂井電機である。同社は、あるロボット関連の展示会で、マグナ・ワイヤレス製のローカル5G端末を搭載したAGVの走行デモを実施。ローカル5Gを活用することで、展示会におけるAGVの安定走行を実現した。
「Wi-Fiを用いた運用では、AGVが一時的に動かなくなるケースも珍しくないので、『ローカル5Gで発想が変わった』とのお声をいただきました」と池田氏は自信を見せる。
一般社団法人NNCモビリティや群馬大学とは、ローカル5Gを用いた小型モビリティに関する自動運転の実証に取り組んでいる。国内では観光地などで導入が進んでおり、将来的には小型モビリティに自動運転技術を実装し、高齢者や障がい者の移動手段として活躍することが期待されている。現在はV2V(Vehicle to Vehicle)メインだが、今後パブリック5Gとローカル5GのハイブリッドによるV2X(Vehicle to Everything)の実現も見据えた実証を行っていくという。
小型化で新ニーズに応える LPWAやWi-Fiもお任せ!
今年12月には、AU-700を小型化した「AU-700-Wシリーズ」を提供予定だ。サイズは横幅30×奥行30×高さ10cmで重量は約10kgのAU-700に対して、AU-700-Wは横幅15×奥行8×高さ4cmかつ重量も1kgとよりコンパクトに仕上げる計画だ。「AU-700は無線化に向けた実験用途を想定したモデルですが、AU-700-Wは『ユースケースに即して現場で本格実装させたい』といったお客様に最適です」と池田氏はアピールする。
AU-700-Wシリーズも、基地局(AU-700gNB-W)と端末(AU-700UE-W)をあわせて展開する。この2つをパッケージ化した「DIN実装キット」は、PLCへローカル5G機能を組み込んで工場を無線化したいという顧客ニーズに応える。
AU-700シリーズの基地局(AU-700gNB)とAU-700-Wシリーズの端末(AU-700UE-W)を組み合わせた「移動体評価キット」も提供予定で、ドローンへの実装を想定している。被災地の状況把握やインフラ設備の点検、ラストワンマイルの配送などドローンの活用はより一層広がっていくと予想されるなか、移動体評価キットが大きな役割を果たすようになるだろう。
ローカル5Gではオーバースペックだと感じる企業に対しては、LPWAやWi-Fi等の無線ソリューションも提供する。親会社のエイビットが取り扱うLPWAソリューションや、パートナー企業のWi-Fi関連製品を提供することに加え、無線全般に関するコンサルティングサービスも請け負う。「弊社は大手メーカーの開発マネージャーや技術者を務めていた社員が多く、ローカル5G以外の無線システムにも知見があります」(池田氏)
2026年中にはTSNを含むシステム全体を検証・評価できる「AU-800シリーズ」、2027年中には商用量産モデル「AU-850シリーズ」を展開する計画だ。「工場はもちろん、社会インフラにも我々の製品を使っていただきたいと考えています。製品の大きさはより小さくし、お客様が導入しやすい価格帯で提供する予定です」と池田氏は言う。
マグナ・ワイヤレスが持つ製品群と技術力が、ローカル5G市場のさらなる拡大を後押しする原動力になることは間違いない。
ワイヤレスジャパン×WTP 2025で最新のジッターレス通信を体感
マグナ・ワイヤレスは、2025年5月28日~30日に東京ビッグサイトで開催されるワイヤレスジャパン×WTP 2025に出展する。展示ブース(小間番号「W-26」)ではAU-700UE-Wを動態展示し、超低遅延通信を体験することが可能だ。
また、同イベントの基調講演には池田氏が登壇。「6G時代に向けた生成AIとロボット時代の通信革新 ~ワット・ビット連携/TSN対応ローカル5Gと低遅延半導体チップの挑戦~」と題した講演を行う。通信技術の最前線を走り続けるマグナ・ワイヤレスが提案する次世代通信インフラと、その世界観を体感する絶好の機会になるはずだ。
【ワイヤレスジャパン×WTP 2025 出展】
2025年5月28日 (水) ~ 30日 (金)
マグナ・ワイヤレス ブース小間番号:W-26 および XGMFコーナー(W-20)
【取締役COO 池田博樹氏 講演】
日時:5/30 (金) 13:30-14:10
基調講演会場
6G時代に向けた生成AIとロボット時代の通信革新
<お問い合わせ先>
株式会社マグナ・ワイヤレス
TEL:042-621-3300
E-mail:info@magna-wireless.co.jp