NTTドコモの2012年度上期は増収減益――スマートフォン販売好調で年間計画は1400万台に上方修正

NTTドコモは2012年10月26日、今年度第2四半期決算を発表した。上期の売上高は前年同期比4.5%増の2兆2073億円、営業利益は同7.4%減の4711億円と増収減益だった。スマートフォンの普及でパケット収入が伸びているものの、音声収入の減少や販売経費の増加が影響した。

NTTドコモの加藤薫社長

上期の端末の総販売数は同14.4%増の1184万台。特にスマートフォンが好調で、販売数は第1四半期が249万台、第2四半期は395万台の計644万台(同77.6%増)となっており、年間計画を当初の1300万台から1400万台へと上方修正した。また、第2四半期に販売したスマートフォンのうち「Xi」対応は約7割に達している。

通期の業績予想は、売上高を4兆5200億円と700億円上方修正する一方、営業利益は8200億円と800億円下方修正した。代表取締役社長の加藤薫氏は「下期は競争力を強化し、スマートフォンユーザーを早期に拡大したい。そのために800億円を超える追加費用を投入する」と説明した。

携帯電話市場はMNPをめぐる競争が激化しており、ドコモからは第1四半期に約25万件、第2四半期に約19万件が流出した。今年度は当初、MNPによる流出を昨年度の半分の40万件程度に抑えることを目標にしていたが、すでに上期の時点で40万を上回っている。4月以降、流出は改善傾向にあったが、KDDIとソフトバンクモバイルから「iPhone 5」が発売された9月は再び流出が増加した。「iPhone 5は想定よりやや強めに影響が出ている」(加藤社長)という。

3キャリアの中でiPhoneを発売していないドコモは、端末・ネットワーク・サービスの「三位一体」の競争戦略を取る。このうちサービスについては、「ドコモクラウド」を「dマーケット」「インテリジェントサービス」「ストレージ」という3つの方向性で強化し、新たな収益源につなげたい考えだ。

例えばdマーケットは、「dゲーム」や「dショッピング」といった新サービスを開始し、今年度は200億円超の収入を見込む。さらに2015年度には1000億円規模まで拡大することを目指している。

端末・ネットワーク・サービスの強化による成長を目指す

これらモバイルサービスに付随する収入については今後、パケット収入から切り離し、新たに「スマートARPU」というカテゴリーに分類するという。

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