NTTがつくばフォーラム2012を開催――「ICTを日本再生のきっかけに」

NTTは2012年10月18日~19日の2日間、「つくばフォーラム2012」を開催している。初日の18日は、NTT代表取締役副社長の片山泰祥氏が「NTTグループの最近の取り組み」と題した基調講演を行った。

NTT代表取締役副社長の片山泰祥氏

片山副社長はまず、移動・固定のブロードバンドサービスの現状を紹介。移動ではNTTドコモのスマートフォンとXiの契約数が急速に増加しており、スマートフォンは2011年の1000万契約から15年に4000万契約、Xiは同222万契約から今年8月20日に500万契約を突破し、15年に3000万契約を目指していることをアピールした。また、Xiのサービスエリアについては、今年3月30日に全国の政令指定都市の人口カバー率100%を達成したことを紹介し、「2014年度に全国の人口カバー率98%を目指す」と目標を語った。

スマートフォン、Xiの契約目標

固定ブロードバンドサービスについては、「フレッツ光」の解約抑制に向けた取り組みに言及。NTT西日本が従来から提供していた最大概ね1Gbpsのサービスを、今月から「フレッツ 光ネクスト スーパーハイスピードタイプ 隼」という名称で、従来の100Mbps/200Mbpsのファミリータイプ、マンションタイプと同料金に引き下げて提供することを紹介した。NTT東日本の取り組みについては、今年3月に開始した戸建て向けサービスへの「にねん割」をアピールするとともに、「“フレッツ光メンバーズクラブ”にご加入いただき、長く使っていただくことで、フレッツ・ADSL並みの料金でご利用いただける」と語った。

フレッツ光については、サービスへの取り組みにも言及。NTT東日本/西日本が提供している電力見える化サービス(NTT東日本:「フレッツ・ミルエネ」、NTT西日本:「フレッツ・エコめがね」)や、「フレッツ・テレビ」「ひかりTV」といった映像サービスの現状を披露。さらに、NTTグループのクラウド基盤への取り組みも紹介した。

NTT東西の電力見える化サービス

高速・大容量ネットワークを

今後の取り組みについては、高速・大容量ネットワークの必要性を訴えた。まず、モバイルトラフィックは、2015年度は2011年度比で約12倍になると予想しており、主な対応方針として、「ネットワーク容量の拡大」「トラフィックコントロール」「ネットワーク負荷の軽減(データオフロード)」の3つを挙げた。

固定では、インターネットトラフィックは年率10~20%増となっており、2015年は2011年の約2倍となると予想している。その対策として光伝送基盤技術を紹介。これまでの時分割多重技術、光多重・光増幅技術を第1世代、第2世代と位置づけたうえで、現在の第3世代である、光の波の性質(位相、偏波)を用いて高効率伝送を実現する「デジタルコヒーレント技術」をアピールした。

さらに、光ファイバー1本で、毎秒1ぺタビットの世界最大容量光伝送に成功したことも発表。前述のデジタルコヒーレント技術と、空間多重光通信技術(マルチコア光ファイバー)との組み合わせで実現した。空間多重光通信技術とは、1本の光ファイバーにあたかも12本入っているかのような光ファイバーを実現する技術という。

毎秒1ぺタビットの光伝送に成功した技術

このほか、NTTグループのグローバル事業への取り組みや、NTTのR&D組織の改変なども紹介。最後に「ICTが日本再生の大きなきっかけになればと思っている。ぜひ皆さんと、オープンな形でスピード感を持って、どうしたら新しい産業が生まれていくかということについて意見交換をさせていただきたい」と述べた。

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