LLM×衛星画像解析で防災DX
3つめは、LLMを活用した衛星画像解析である。LLMを用いることで、高度な専門知識を必要とする衛星画像解析のハードルが大きく下がるという。災害対応を担う関係省庁や自治体などに展開していきたい考えだ。
LLMを活用すれば、フリーワードで現場画像を絞り込むことができる。例えば「保険金支払い査定調査を優先すべき地区と、その理由は?」と質問すると、マップ付きで回答してくれる。
同ソリューションは、一戸一戸の詳細な損壊状況を確認することも可能で、「被害度に基づいて住宅をランク付けして」と投げかければ、住宅ごとの被災状況等を迅速に把握できる。
住宅ごとの詳細分析イメージ
4つめは、顔認証技術と虹彩認証技術を用いたマルチモーダル生体認証技術だ。NECは2023年から両技術を搭載したマルチモーダル生体認証ソリューションを提供しているが、顔認証用と虹彩認証用それぞれのカメラが必要だった。
そこで今回、1台のカメラで顔認証と虹彩認証を行える技術を開発し、デバイスの小型化・軽量化が可能になった。POSレジやATMに加え、タブレット等のポータブル端末へも組み込めるようになったという。
また、高精細画像からしか抽出できなかった虹彩の特徴量を、低品質画像から推定できる技術を実装し、高速な生体認証を実現。イベントで実施されたデモでは、瞬時に生体認証を行えることを確認できた。2025年に本格的な実証を開始し、2026年の商用化を目指すとしている。
同イベントで実施されたデモでは、瞬時に生体認証を行えることを確認できた
5つめは、「フォーネスビジュアス」だ。医療機関で問診・採血を実施し、血液に存在する7000種類のたんぱく質を解析。それをもとに、肺がんや認知症などの発症リスクや生活習慣病のリスクを可視化するサービスだ。これらのデータは専用のスマホアプリから確認できる。
大和証券はラップ口座(証券会社に資産運用を一任するために開設される専用口座)契約者に、特典として同サービスを付与する取り組みを実施中だという。