「2013年に802.11ac対応製品を順次リリース」―― メルーが事業戦略発表会

世界56カ国にまたがりエンタープライズ向け無線LANを手掛けるメルー・ネットワークス。2012年第2四半期の収益は前期比26%増となった。2013年には次世代の無線LAN規格「IEEE 802.11ac」の対応製品を順次リリースするという。

2012年8月7日、メルー・ネットワークスはグローバルおよび国内市場における事業戦略について、都内で記者発表会を行った。

米メルー・ネットワークス 社長兼CEO
バミ・バスタニ氏

メルー・ネットワークス 代表取締役社長
司馬聡氏

メルーは現在、教育機関、ホテルやイベント会場、医療機関を主要な顧客ターゲットとして顧客数を着実に伸ばしている。

2012年第2四半期には顧客数が6600を越えた

顧客の割合を地域別に見ると、米国が55%、EMEA(ヨーロッパと中東及びアフリカ)が37%を占めているのに対し、APAC(アジア太平洋地域)は8%に留まっている。これについて、米メルーの社長兼CEOであるバミ・バスタニ氏は「現在はアジアは他地域に比べ出遅れているものの、近年のアジア市場は顧客数の伸びが非常に顕著である」と語った。

その一例として、日本におけるメルーの実績についても触れられ、①日本国内に500社以上の顧客を持っていること ②国立大学の24%以上の市場シェアがあること ③50以上の病院を顧客に持つこと ④10以上のホテルチェーンを顧客に持つことなどが挙げられた。

メルーは今後、IEEE802.11acへ迅速に対応し、更なる飛躍を目指すという。ここで、802.11acへの対応にあたり、避けて通れないのが電波帯域の重複問題だ。たとえば、チャネルのサイズが160MHzのとき、重複しない帯域は2つだけになってしまう。

従来の無線LAN技術では帯域の確保が難しい
(注:表中のチャネルサイズ160MHzの使用可能帯域は誤植。正しくは「320MHz」)

この問題に有効なのがメルーの無線LAN技術「シングルチャネルデプロイメント」だ。これは同一チャネルの電波干渉を制御してチャネル設計を容易にする技術。ひとつのチャネルしか使用しないため、802.11acの高速通信に必要な帯域を確保できる。また、スループットおよび安定性も高く維持することができる。

シングルチャネルデプロイメントにより電波帯域を最小限に抑えることができる

メルーは独自の技術により、2013年第1四半期から802.11acの提案に着手し、第2四半期には同規格の対応製品を正式リリースする予定だ。

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