OpenFlow導入ガイド[後編]――対応ベンダー急拡大で気になる製品選びのポイント

グーグルやNTTコミュニケーションズが商用環境で利用するなど、すでに“実導入”フェーズに入ったOpenFlow。後編では、徐々に選択肢が広がりつつあるOpenFlow対応製品の選び方のポイントを解説する。

最後に、OpenFlow対応のコントローラーおよびスイッチの主な製品を紹介する(会社名 50音順)。

OpenFlow対応コントローラー


<NTTデータ>

Hinemos仮想ネットワーク管理オプション
http://www.nttdata.com/jp/ja/news/release/2012/060501.html
特徴:Hinemos(ヒネモス)はオープンソースの統合運用管理ツール。Hinemosには様々なオプションが用意されており、その中の「Hinemos仮想ネットワーク管理オプション」(Hinemosクライアント・マネージャに仮想ネットワーク管理機能を追加するためのオプションでOpenFlowコントローラが含まれている)を導入すると、OpenFlowスイッチおよびサーバーで構成された物理ネットワークの構成をグラフィカルなマップで表示できる。同社では、データセンターネットワークに限らず、広域ネットワークにも対応可能な新たなOpenFlow対応コントローラー「バーチャルネットワークコントローラVer2.0」の開発にも着手しており、2012年内の販売開始を予定している。このバーチャルネットワークコントローラVer2.0では、ホップ・バイ・ホップ方式とオーバーレイ方式の両方に対応し、両方式の混在利用も可能だ。

<ニシラ・ネットワークス・ジャパン
Nicira Network Virtualization Platform(NVP)
http://www.nicira-event.net/
特徴:ネットワーク仮想化を実現するためのソリューション。コントローラーの「NVP コントローラクラスタ」や仮想スイッチ「Open vSwitch」など、必要なコンポーネットがパッケージ化されている。オーバーレイ方式を採用しており、従来型の既存ネットワーク上で利用できる。また、仮想スイッチは、VMware ESX、Linux/KVM、Xen Server、Microsoft HyperVなどの主要ハイパーバイザーをすべてサポートする。なお、ニシラは今年7月にVMwareに買収されることが発表された。

<NEC>
UNIVERGE PF6800
http://www.nec.co.jp/datanet/pflow/index.html
特徴:世界初のOpenFlow対応製品。ハードウェア一体型のコントローラーで、ホップ・バイ・ホップ方式を採用する。今年7月に行われた機能強化では、複数のデータセンターや拠点に設置した複数のコントローラーの統合管理が可能になったほか、従来のコマンド操作だけでなくGUI管理画面上で仮想テナントネットワークを構築できるようになった。また、Web APIが公開されており、外部アプリケーションと連携できる。

OpenFlow(ハードウェア)スイッチ

<Pica8>
Prontoシリーズ
http://www.nclc.co.jp/products/sdn/
特徴:OpenFlow対応のL2/L3スイッチ。チップにASICではなく汎用品である、いわゆる「マーチャントシリコン」を採用している。また、ネットワークOSもオープンソースベースであり、このため他社の同等スペックのToRスイッチと比べて、低価格で提供できるという。国内ではエヌシー・エル・コミュニケーション(NCLC)や日商エレクトロニクスが販売代理店を務めている。

<シスコシステムズ
Catalyst 3570-X/3560-Xシリーズ
http://www.cisco.com/web/JP/news/pr/2012/026.html
特徴:シスコでは、SDN研究のためのPoC(Proof of Concept:機能検証)用として、OpenFlowエージェントを2012年内に提供開始する予定。Cisco Catalyst 3750-Xシリーズおよび3560-XシリーズがまずはOpenFlowに対応する。また、OpenFlowコントローラーも同じくPoC用として提供する。

<ジュニパーネットワークス
MXシリーズ、EXシリーズ
http://www.juniper.net/jp/jp/company/press-center/press-releases/2012/pr_2012_02_02-11_00.html
特徴:ルーターのMXシリーズとスイッチのEXシリーズがOpenFlow 1.0に対応。さらに、MX/EXおよび同社独自のファブリックアーキテクチャ「QFabric」を採用したQFXシリーズが2013年中にOpenFlow 1.3をサポートするとアナウンスしている。

<日本IBM>
G8264
http://www-06.ibm.com/jp/press/2011/11/1102.html
特徴:「G8264」は、最大64個の全ポートで毎秒10Gビットの転送速度を提供するデータセンター向けのネットワーク・スイッチ。無償提供される最新の「IBM Networking OS 6.8.1」にアップデートすることでOpenFlowに対応できる。

<NEC>
UNIVERGE PF5240/PF5820
http://www.nec.co.jp/datanet/pflow/index.html
特徴:NECでは、1GbEポートを48個搭載した「UNIVERGE PF5240」と、10GbEポートを48個備えた「UNIVERGE PF5820」を用意している。スイッチング容量はPF5240が176Gbps、PF5820が1.28Tbps。

<日本ヒューレット・パッカード>
HP 3500、HP 5400、HP 8200の3モデル16機種
http://www8.hp.com/jp/ja/hp-news/press-release.html?id=1225463&jumpid=reg_r1002_jpja_c-001_title_r0001
特徴:1Uのボックス型スイッチからシャーシ型スイッチまで、HPが3com買収前から提供してきたProCurveシリーズの16製品がOpenFlowに対応。ソフトウェアのアップデートによりOpenFlowをサポートできる。

<ブロケード コミュニケーションズ システムズ
Brocade NetIronルータ・ファミリ(MLX、CER、CES)
http://www.brocadejapan.com/news/20120523_1
特徴:今夏にリリース予定の「Brocade 5.4 Software for NetIron」のリリースに伴い、Brocade NetIron ルータファミリの全ラインナップがOpenFlowに対応する。同社独自のハイブリッド・モードをサポートしており、ポート単位で従来のレイヤ2/3フォワーディングとOpenFlowを使い分けることができる。

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