<特集>5Gの新常識5Gインフラ整備は新ステージへ SAに向けSub6を面展開

サービス開始後4年を経て5G網の整備が新たな局面に入った。衛星通信との干渉問題の解消を機にSub6の整備が加速。4G帯域の転用による面展開の進展によりSAの本格展開に向けた環境が整う。

「サービス開始から2023年度末までの4年間は5Gの導入期。2024年度から普及期に入る」

KDDI コア技術統括本部 技術企画本部 技術企画部 部長の佐藤卓郎氏は、日本の5Gの今を、こう捉えている。

年度明けとなる4月9日、5G用の新周波数帯として3.7/4.5GHz帯(Sub6)と28GHz帯(ミリ波)が割り当てられてから5年が経過した。携帯4社は、割当の条件である基地局開設計画をクリアする形で初期段階のインフラ整備を終え、“普及期”に対応できる5Gインフラの構築に動き出している。

衛星通信との干渉問題にメド

今春以降、5Gネットワークはどう変わっていくのか。

予想される大きな変化の1つが、5Gの主力バンドであるSub6、なかでも4事業者すべてに割り当てられている3.7GHz帯の整備が大きく進展することだ。

契機となるのは、衛星通信との干渉対策による首都圏での運用制限の緩和である。

Sub6は、NTTドコモとKDDIには100MHz幅を各2ブロック、計200MHz幅、ソフトバンクと楽天モバイルは各100MHz幅が割り当てられている。

100MHz幅で5Gを運用することで2Gbps超(理論値)という超高速・大容量通信を実現できる。さらに、Sub6は基地局から半径数百mをカバーできるため、ある程度面的なエリア整備も可能だ。Sub6が5Gの主力バンドとされるのはこのためだ。

他方、Sub6の展開には課題もあった。

主要帯域である3.7GHz帯(3.6~4.1GHz)が、衛星通信に使われる「Cバンド」の下り帯域(衛星から地上局方向、3.4~4.2GHz)と重なっているため、5G基地局の電波が衛星通信に干渉を与える懸念がある。

そのため、Cバンドの衛星地上局が存在する地区に3.7GHz帯基地局を整備する場合、携帯事業者は基地局の出力を大幅に引き下げるなどの措置を求められる。

Cバンドの衛星通信は、トラフィックが集中する大都市圏でも使われているため、これがSub6でのエリア展開のネックとなっていた。

そこで、携帯事業者と衛星事業者の間で協議が行われ、大都市圏の衛星通信利用者が光回線を介して、郊外に設置された地上局から衛星通信を利用できる仕組みを整備することなどにより、大都市圏での運用制限の緩和が進められてきた。

2024年4月に最大需要地域である首都圏での干渉対策が完了し、大都市圏でのエリア整備の制約がほぼなくなったことで、3.7GHz帯の基地局整備が加速してきたのだ。

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