JTOWERとメトロウェザー、通信鉄塔で気象情報サービス設備の検証を実施

JTOWERとメトロウェザーは2024年5月7日、JTOWERが保有する通信鉄塔の利用に関する基本契約を締結したと発表した。JTOWERが保有する通信鉄塔において、携帯電話のネットワーク整備以外で初の利用となる。

メトロウェザーは、赤外線を用いて風に舞った大気中の塵や微粒子を散乱体として反射光を受信し、ドップラー効果を利用した解析を実行することで、風況をリアルタイム・3次元に把握・可視化するドップラー・ライダーの開発・販売およびデータ提供を行っている。ドップラー・ライダーを活用した社会課題の解決に向け、2021年からはNASAの研究開発プロジェクトに参画するなど、国内外で複数の企業様・研究機関様との共同研究や実証を進めているところだ。

一方、JTOWERは、通信事業者の通信設備を共用化するインフラシェアリングのサービスを屋内外で展開している。屋外では全国に約5300本の通信鉄塔を保有し、通信事業者に貸し出す「タワーシェアリング事業」を開始している。この通信鉄塔は、携帯キャリアがネットワーク整備のために基地局やアンテナ等を設置する用途に加え、IoT関連設備、防災無線、カメラ、Wi-Fi、各種センサー等の設置場所として、多様な用途での活用が可能だ。

メトロウェザーは2024年3月に、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業」PCAフェーズ(実用化研究開発(後期))に採択された。

これにより今後、ドップラー・ライダーの量産に向けた精度検証を行う予定で、その検証にJTOWERの通信鉄塔を利用する。まずは関西圏に所在する通信鉄塔について、2024年秋からの利用に向けた準備を行っており、今後、メトロウェザーの体制強化に向け、JTOWERが全国に保有する通信鉄塔の利用拡大を検討していくという。

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