シスコシステムズは2012年3月13日、サーバープラットフォーム「Cisco UCS(Unified Computing System)」を第3世代へと進化させる新製品を発表した。
執行役員の吉野正則氏によると、シスコでは現在「The World of Many Clouds」というクラウド戦略を掲げているという。これが意味するのは、「プライベート/パブリック/ハイブリッドといった様々なクラウドが混在・連携しながら、クラウドを介して人とビジネスがつながっている世界」だ。こうした世界を実現するうえでは、「クラウド間の有機的結合」が重要な要素の1つになるが、この有機的結合を実現する新技術の提供も、第3世代UCSの大きなポイントの1つになっている。
今回発表されたのはまず新しいサーバー製品3モデルだ。ブレードサーバーが「Cisco B200 M3」の1モデル、ラックサーバーが1Uの「Cisco C220 M3」と2Uの「Cisco C240 M3」がUCSのポートフォリオに追加された。その主な特徴は、インテルの最新プロセッサ「Xeon E5-2600」への対応と、メモリ容量が最大768GBと大幅に拡張されたことである(32GBメモリ搭載時。3月のリリース時は16GBメモリ搭載で最大384GB)。また、性能向上にあわせてI/Oも強化されている。なお、ブレードシャーシに変更はなく、既存のシャーシでも第3世代のブレードサーバーを利用できる。
第3世代UCSサーバーの概要 |
前述の「有機的結合」に貢献するのは、UCS Managerだ。従来ブレードサーバーとラックサーバーの統合管理には対応していなかったが、新たに一元的に管理できるようになった。また、1ドメインで最大320サーバー(ラックサーバーの場合は最大160)と統合管理可能なサーバー数も拡大した。さらに、2012年下半期に提供予定のMulti UCS Managerでは、複数のデータセンターにまたがってUCSを統合管理できるようになるという。
第3世代UCSの主なトピック |
このほか、Nexus 7000向けの100GEモジュールや40GEモジュールなど、データセンタースイッチのポートフォリオ拡充も発表された。