京セラが開発する無線給電 PHSで培った技術で人体への影響回避

IoT化によりニーズが高まる空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム。京セラはPHS基地局で培った電波制御技術を応用し、人体への影響を回避しつつ給電する仕組みを開発した。

あらゆるモノがインターネットにつながる時代を迎え、IoT機器・センサーの数は増加の一途をたどっている。IoT化の進展とともに注目が高まっているのが、最大10m先のデバイスやセンサーに無線で給電を行える「空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム」だ。

総務省は2022年5月、電波法施行規則等の一部改正により同システムを制度化し、対応周波数として920MHz帯、2.4GHz帯、5.7GHz帯を割り当てた。

規制緩和を受けて、様々な企業が空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムに参入している。京セラもその1社だ。2023年10月、5.7GHz帯における同システムの実現に向けた基礎技術を開発した(図表1)。

図表1 「空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム」の電力供給イメージ

図表1 「空間伝送型ワイヤレス電力伝送システム」の電力供給イメージ

(出典:京セラ)

送電装置から送出された電波(マイクロ波)のエネルギーを、受電装置で電力に変換する空間伝送型ワイヤレス電力伝送システムは、送信範囲内にいる人間への電波暴露や他の無線システムへの干渉といった懸念がある。このため対象物に的確に給電し、人体や他の無線システムに対する安全性を確保することが大きな課題だ。京セラは、ビームフォーミングとアダプティブアレイという2つの技術の活用により、課題解決を図っている。

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