ガートナージャパンは2023年8月17日、「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2023年」を発表した。
このハイプサイクルでは未来指向型のテクノロジーや、トレンドとなっているキーワード40項目を取り上げている。今年新たに追加したのは 生成AI、分散型アイデンティティ、サステナビリティ管理ソリューション、デジタル免疫システム、LLMプラットフォーム・サービス、ポスト量子暗号、空間コンピューティング、量子機械学習、商用核融合炉の9項目。一方、2022年度版から除外された項目もある。
ガートナー「日本における未来志向型インフラ・テクノロジのハイプ・サイクル:2023年」
今年追加された項目のうち、生成AIと分散型アイデンティティ(Decentralized Identity:DCI)はすでに「過度な期待」のピーク期に位置している。それに対し、2022年度には「過度な期待」のピーク期に位置していたメタバース、Web3、NFT、量子コンピューティング、イマーシブ・エクスペリエンスは、2023年版では幻滅期へとその位置づけが変わっている。
同社 ディスティングイッシュト バイス プレジデント アナリストの亦賀忠明氏は生成AIの状況について「今後12カ月以内に、ほとんどのテクノロジ製品/サービスに生成AI機能が組み込まれ、『どこでも生成AI』の状況になっていくでしょう」とコメントしている。
また、同じく「過度な期待」のピーク期とされた分散型アイデンティティは、ユーザーが分散型識別子 (Decentralized Identifiers:DIDs) を使用してさまざまなサービスに接続し、自分自身でアイデンティティ情報を管理することを可能にするものだ。DCIはトラスト、プライバシー保護、セキュリティの3つを確立することにより、サービスごとにプロバイダがIDを管理する従来のモデルに替わる認証手段として位置付けられているという。ガートナーは、分散型アイデンティティが主流の採用に至るには5~10年を要するとみている。