NECのテレコム事業トップに聞く「O-RANシフトは不可避 5000億円をIOWNの世界へ」

NECが組織改革を行い、通信事業者向けビジネスを担う「テレコムサービスビジネスユニット(BU)」のBU長に木内道男氏が就任した。O-RANをはじめとする5GビジネスやIOWNなどに、NECはどう取り組むのか。NECのテレコム事業をリードする木内氏に、現状と今後の見通し、そして成長戦略を聞いた。

NEC Corporate EVP 兼 テレコムサービスビジネスユニット長 木内道男氏

NEC Corporate EVP 兼 テレコムサービスビジネスユニット長 木内道男氏

――今年4月1日付の組織改革で、通信事業者向け事業を担う「ネットワークサービスビジネスユニット(BU)」が「テレコムサービスBU」へ改称されました。

木内 ご存じの通り、国内の通信事業者の業績は過去最高益といった状況にありますが、「官製値下げ」の影響もあって、ARPUやネットワーク領域の設備投資は減ってきています。そうしたなか、我々のBUは今まで「ネットワーク領域にフォーカスします」という名称でした。

しかし今後は、ネットワーク領域だけではなく、通信事業者の成長全体に対して、きちんと貢献できるようにと「テレコムサービス」へと名称を変更しました。

ネットワークは、国の重要インフラであり、安全保障の問題もあります。国内最大の通信ベンダーとして、ネットワークに関する責任をしっかりと果たしながら、非通信領域でも事業を伸ばしていくことが大切だと考えています。

――所管する事業自体も少し変わりましたね。

木内 LAN製品やローカル5Gといったエンタープライズ向けのアセットは、全社横断でDXに必要な製品・サービスを提供する「デジタルプラットフォームBU」へ移しました。

また、従来からグローバル5G事業は我々のBUでしたが、これまでグローバル担当のBUが所管していた海底通信ケーブル事業、先頃カーブアウトを発表したパソリンクの事業についても、テレコムサービスBUに戻しています。

続きのページは、会員の方のみ閲覧していただけます。

木内道男(きうち・みちお)氏

1989年NEC入社。電子交換機のソフトウェア開発やルーター開発に従事し、2015年に日本電気通信システムに出向、共通プラットフォーム開発の責任者。2016年にNECに復帰し、キャリアサービス事業部にてNFVの開発をリードし、通信事業者向け仮想化モバイルコアネットワークソリューションを世界で初めて展開(発売)。2019年にモバイルコアのソフトウェア、OSS/BSS開発を統括し、2021年に執行役員としてネットワークインフラ事業全体をリード。2023年にCorporate EVP 兼 テレコムサービスビジネスユニット長に就任

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

FEATURE特集

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。