近年ドローンやロボットを活用する動きが広がっている。ドローン規制の緩和や自動運転「レベル4」の解禁が背景にある。「ドローンが撮影した映像を転送したい、重機の遠隔操作をしたいといったニーズが高まっている」とハイテクインター 営業部 部長の森池信也氏は話す。
一般的に普及しているドローンの多くはWi-Fiを通信手段に用いているが、Wi-Fiには電波干渉や通信できる距離に課題がある。これらの課題を解決するため、ハイテクインターはドローンやロボットの遠隔操作に特化した無線機器「RM5700」を販売開始する。
ハイテクインターの5.7GHz帯無人移動体画像伝送システム用通信装置「RM5700」。
(左から)名刺1/2サイズのコンパクトな組み込み型機器、一体型機器
RM5700では、無人移動体に割り当てられた5.7GHz帯の周波数を使用するため、干渉が少なく、安定した通信が可能だ。同機器の出力は1Wで、5kmの映像伝送が可能だが、メッシュ通信にも対応しているため、更なる長距離無線ネットワークも構築できる。「他の無線ではできないことを可能にするのが強みだ」と森池氏は胸を張る。
過酷な現場で使える 防塵・防水・耐振動性能
IP67対応の防塵・防水仕様やMIL規格に準拠した耐振動性能も兼ね備えており、建設現場や工場などの過酷な条件下でも問題なく稼働するという。
さらに「LTEが届かない離島や山奥において、土木機械を無人で動かす場合の遠隔操作手段としても使える」と同社 無線技術部 部長の松井仁志氏はユースケースを語る。
携帯電話のエリア圏外では、ローカル5Gの構築も1つの手段だが、申請に時間を要するうえ、コストも割高だ。「免許申請が簡単な5.7GHz帯を使うRM5700なら、すぐに運用ができて、かつサイズも小さい」と森池氏は話す。自然災害などで人が立ち入れなくなった場所での活用も想定しているという。
図表 「RM5700」の使用例
RM5700は、組み込み型と一体型の2種類のラインナップを取り揃える。組み込み型は、名刺の半分ほどの大きさで36gと小型・軽量。ドローンやロボットに組み込むことができる。一体型は、建機への搭載やドローンからの映像受信などの用途が考えられるとのこと。
同社の提供する4K高画質・低遅延で狭帯域にも対応したエンコーダー・デコーダー「LLC-4000」と組み合わせることによって、リアルタイムでの高画質映像伝送も可能になるという。
リリースは今夏の予定だが、「発売前、組み込み型をお客様に評価いただくことが可能」と松井氏。
また、5月24日から26日にかけて行われる国内最大級のワイヤレス専門展示会「ワイヤレスジャパン×ワイヤレス・テクノロジー・パーク(WTP)」でも製品を確認できる。展示会ではRM5700だけでなく、干渉の少ない60GHz帯に対応した屋外用無線LANブリッジ「cn Wave Vシリーズ」や、「コンパクト型ローカル5Gプラットフォーム PoCシステム」なども展示予定だ。ハイテクインターの高性能な無線機器を、実際に手に取って体感いただきたい。
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