IDC Japanは2023年4月12日、最新のセキュリティ市場予測を発表した。
世界のセキュリティ市場支出額は2023年に前年比12.1%増の2190億米ドル、国内は前年比7.1%増の9336億円に達すると、IDCは予測している。
IDCは、国内のセキュリティ市場が成長した要因を3つ挙げている。1つ目は、エンドポイントセキュリティとID管理市場の拡大だ。リモートワークの普及により、インターネット経由の企業システムへのアクセスが増加したことが背景にあるという。
2つ目は、サイバーセキュリティ対策の拡大だ。近年多発しているランサムウェア攻撃やDDoS攻撃に対し、各企業が対応を迫られた形だ。
3つ目は、認証の厳密化やなりすましの防止対策の拡大だ。eコマースやインターネットバンキングの浸透が影響しているという。
また、国内セキュリティ市場において、「コンシューマー業」「流通/サービス業」「製造業」「公共業」の4つの産業分野が特に市場規模を拡大させているという。
国内セキュリティ市場 産業分野/従業員規模別予測、2021年~2026年
IDC曰く、デジタルシフトに伴うセキュリティリスク拡大への対策や、個人情報保護を目的としたサイバーセキュリティ対策は今後も継続し、国内セキュリティ市場は2021年~2026年の年間平均成長率は7.1%に及ぶという。
IDC Japan Software/Service Solutions グループディレクターの眞鍋敬氏は、「デジタルシフトはCOVID-19の感染拡大があった約3年間で急速に進み、この結果、サイバーセキュリティリスクが企業ばかりでなく個人にも拡大している。企業がデジタルレジリエンシーを向上させ競争力を維持するためには、ビジネスバイヤー/消費者からのデジタルトラストを得る必要があり、サイバーセキュリティ対策はデジタルトラストの基本要件として重要性を増すだろう」と語っている。