「独特の文化があり、極めて多様な産業がある中四国エリアにおいて、2025年度までに500プロジェクトを目指す」
NTT西日本は2023年1月19日、DX推進のための共創ラボ「LINKSPARK 広島」を開設。同日開催した説明会で、NTT西日本 代表取締役社長の森林正彰氏は、このように目標を語った。
LINKSPARKは、NTT西日本が各地に設置している、顧客のDXの取り組みを支援するためのラボである。2019年、大阪に初めて開設したのを皮切りに、これまで名古屋と福岡にも設置しており、今回の広島で4拠点目だ(このほか、コールセンター関連に限定されるLINKSPARKが金沢にある)。
NTT基町ビル(広島市中区基町6-77)に設立された共創ラボ「LINKSPARK 広島」
森林氏によれば、DX推進における課題は大きく3つある。デジタル人財の不足、DXで取り組むべきテーマの設定、ICT環境準備の3つだ。
LINKSPARKには、NTT西日本の社員が常駐し、DXで取り組むべきテーマ設定のところから顧客とディスカッションしながらDXを共同で推進していく。また、ICT実証環境も備える。
LINKSPARK 広島に常駐するNTT西日本の社員は数名。大阪、名古屋などLINKSPARK全体では約50名が常駐しており、「大阪からデータサイエンティストが参加するといった形も考えている」(森林氏)とのことだ。
DX推進における3つの課題。LINKSPARK 広島では、
これらの課題をNTT西日本らの社員と一緒に解決していけるという
LINKSPARKの特徴の1つは、デザイン思考により、プロジェクトを進めていくことである。そのためLINKSPARK 広島では、「普段とは違う、クリエイティブな議論が行える環境」(森林氏)を用意しているという。
LINKSPARK 広島での共創には、NTT西日本の社員だけではなく、NTT西日本のパートナーも加わる。その1社が四国電力グループの通信事業者、STNetである。
STNetもDXの共創ラボ「SoCoラボ」を高松に昨年開設しており、NTT西日本はパートナーとして協力してきた。「LINKSPARK 広島とSoCoラボを連携させ、中四国地域の社会課題解決の取り組みを加速させる」とSTNet 常務取締役の久米洋介氏は話した。
また、広島経済同友会 ものづくり委員会 委員長の向田光伸氏は、「地域の企業に寄り添った取り組みで、DX推進の一翼を担っていただければ。非常にワクワクしている」と期待を述べた。
LINKSPARK 広島の取り組み概要
冒頭のコメントの通り、LINKSPARK 広島では2025年度までに500プロジェクトの共創を目指している。
2019年のスタート以来、これまでの3年間のLINKSPARK全体でのプロジェクト数は約650件。コロナ禍の3年間を経て、地域の企業・自治体とのDX推進を今後大きく加速していけると考えているようだ。