児童ポルノ対策はISPの責務

「ISPには児童ポルノを止める責務がある」――。スウェーデンの児童ポルノ対策ソリューション専業ベンダー、ネットクリーン社のホアバリCEOはそう訴える。

国連の調査によると、地球上の人口の0.5%が児童ポルノにアクセスする人だという。統計的には今この時点も、75万人が同時に児童ポルノにアクセスしている。

児童ポルノが他のポルノと異なるのは、それが性的虐待の記録であり、児童の権利を踏みにじる犯罪であるということだ。他方、インターネットの普及によって、児童ポルノの閲覧はかつてと比べてはるかに容易になっている。

スウェーデンに本社を置くNetClean Technologies社(以下、ネットクリーン社)は、児童ポルノ対策ソリューション専業のベンダーである。同社CEOのクリスチャン・ホアバリ氏は、児童ポルノの拡散の構造はドラッグの状況とよく似ていると話す。「特に興味はなかったのにディスコなどで誘われドラッグを体験した人が、次第に中毒になり、最後には自身が売人になってしまう。同じように児童虐待コンテンツの場合も、最初はちょっとした興味から閲覧しただけだったのが、最終的には他の人と交換するコンテンツを作るため、自分の子供を虐待し始めるという構造になっている」

つまり、児童ポルノ問題を解決するには、最初の“きっかけ”を断つことが重要ということだ。そして、ここに歯止めをかけられるのは、インターネットアクセスサービスを提供するISPに他ならない。そこで日本でも、政府の犯罪対策閣僚会議が昨年7月に決定した「児童ポルノ排除総合対策」において、ISPに対して児童ポルノのブロッキングの自主的導入を促進していく方針が盛り込まれた。

月刊テレコミュニケーション2011年3月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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