「ハッカーの主戦場はモバイルに」~マカフィーがスマートフォン向けセキュリティ製品を発表

マカフィーがモバイルセキュリティの戦略方針を発表した。ハッカーの主戦場がモバイルへと移行するなか、マカフィーでは企業向けと個人向けの双方で総合的なソリューションを提供していく。

マカフィーは2011年3月11日、AndroidやiPhone/iPadなどのモバイル端末向けセキュリティに関する記者説明会を開催し、コンシューマ向けおよび企業向けの新製品を紹介した。

会見ではまず、取締役常務執行役員 CSB事業本部長の田中辰夫氏がマカフィーのモバイルセキュリティ戦略を説明した。田中氏はモバイル端末を狙ったマルウェアに代表される脅威は昨年1年間で46%増加し、またAndroidをはじめとするあらゆるモバイルOSに脅威が広がっている状況を紹介。「モバイルがPCに取って代わる時代となり、ハッカーもモバイルを主戦場にしてきている」と指摘した。

そこでマカフィーでは、複数のモバイルOSに対応した総合的なモバイルセキュリティソリューションを提供していくとの考えを表明。そのうえで田中氏は、現時点でそうした総合的なソリューションを提供できるのは「マカフィーだけ」とアピールした。また、販売面においては端末メーカーや通信事業者などとのパートナーシップによるBtoBtoCモデルに傾注していく方針だという。

続いて、同社モバイルエンジニアリング プログラムマネージャーの石川克也氏が「McAfee VirusScan Mobile」と「McAfee WaveSecure」の2つのコンシューマ向け製品について説明した。

VirusScan Mobileの画面 WaveSecureの画面(開発中のもの)
VirusScan Mobileの画面 WaveSecureの画面(開発中のもの)

マカフィーが米国で行った調査によると、お金を払っていいモバイルセキュリティサービスの上位には、「紛失した携帯端末の場所を特定する」「無くしたり、盗まれた携帯端末をロックする」「遠隔から携帯端末上のデータを消去する」「ウイルス対策、スパイウェア対策ソフトウェア」が挙がったという。VirusScan MobileとWaveSecureは、この4つのニーズをカバーするものだ。

ユーザーが価値を感じるモバイルセキュリティ
ユーザーが価値を感じるモバイルセキュリティ

VirusScan Mobileは、モバイル端末をマルウェアの脅威から守る製品。エンジンやDATファイルはモバイル端末向けにゼロから開発しているという。日本市場でも2010年12月から提供が始まっており、例えばソフトバンクモバイルが「スマートセキュリティ」の名称でVirusScan Mobileをベースとしたサービスを提供している。このほか、国内ではウィルコム、海外ではチャイナユニコムとSKテレコムも同サービスを採用しているという。

もう1つのWaveSecureは、モバイル端末の盗難・紛失時に、端末の位置確認・追跡やリモートロック/ワイプなどが行えるサービスだ。英語版のダウンロード販売はすでに始まっており、価格は1ライセンス19.9米ドル。日本語版についても現在準備を進めている。

企業向けには「McAfee Enterprise Mobility Management」(EMM)を提供する。EMMはiOS、Android、Windows Mobile、Symbianなど広範なモバイルOSに対応したモバイル端末管理ソリューションで、OTAによるセキュリティポリシーのアップデート、アプリケーションのプッシュ配信、端末認証などの機能を備えている。同社マーケティング本部長の安藤浩二氏は「モバイル端末管理のライフサイクル全体を提供する」と話し、モバイル端末のセキュリティ管理全体をカバーできる包括的なソリューションであることを強調した。

EMMの機能概要
EMMの機能概要

日本でのEMMの出荷日は4月1日。当初は英語版でのリリースとなり、準備が整い次第、日本語版の提供を始めるとのこと。価格は11~25ライセンスの場合で1ライセンス当たり1万8606円(税込、初年度サポート料込)。1万ライセンス超では9303円となる。

関連リンク

RELATED ARTICLE関連記事

SPECIAL TOPICスペシャルトピック

スペシャルトピック一覧

NEW ARTICLES新着記事

記事一覧

FEATURE特集

WHITE PAPERホワイトペーパー

ホワイトペーパー一覧
×
無料会員登録

無料会員登録をすると、本サイトのすべての記事を閲覧いただけます。
また、最新記事やイベント・セミナーの情報など、ビジネスに役立つ情報を掲載したメールマガジンをお届けいたします。