「爆速」で5G環境を整備する東京都、10件のアセットで5Gが稼働

東京都は11月18日、「第2回TOKYO Data Highwayサミット」を開催した。1年前の第1回会合以降、東京都では5G環境の早期整備に向けて都道など保有するアセットの開放を進めており、すでに10件の5Gアンテナ基地局が稼働している。

東京都は2020年11月18日、「第2回TOKYO Data Highwayサミット」を開催した。5Gネットワークの早期構築に向けた「TOKYO Data Highway基本戦略」をスピーディーに推進するため、通信キャリア各社トップと小池百合子・東京都知事らの意見交換を目的としたもので、第1回会合は昨年11月に行われた。

(左から)左から宮坂学副知事、JTOWERの田中敦史社長、ソフトバンクの宮内謙社長、NTTドコモの吉澤和弘社長、慶應義塾大学教授で座長の村井純氏、小池百合子都知事、KDDIの髙橋誠社長、楽天モバイルの山田善久社長

冒頭、小池都知事は「この1年で世の中が大きく変わった。5Gも第1回会合のときにはまだ何もなかったのが、都庁本庁舎1・2階で5Gがつながるようになったのは大きな進歩。5Gのエコシステムを早く確実に整備することは、選ばれる都市であり続けるために重要と考えている」と語った。

東京都ではTOKYO Data Highway基本戦略に基づいてこの1年、3つの取り組みを推進してきた。1つめが、アンテナ基地局設置への都の保有するアセットの開放と利用手続きの簡素化だ。

第1回サミットでは、5G環境の早期整備を後押しするため、都が保有するアセットのデータベースを公表することが提言された。これを受けて、現在は土地、建物、工作物など約1万5000件のアセットをデータベース化している。併せて、通信キャリアからの問い合わせや現地調査に関するワンストップの窓口を設けており、現地調査申込は145件、このうち10件のアセットでアンテナ基地局の設置が完了しているという。

都が保有するアセットのうち現地調査申込は145件に上る

例えばNTTドコモは、東京芸術劇場(豊島区西池袋)と東京都現代美術館(江東区三好)で11月13日から5Gの運用を開始した。吉澤和弘社長は「5Gの基地局構築ノウハウを獲得し、今後のエリア展開に活かして行きたい」と述べるとともに、東京都に対し「より多くの方に5Gをご利用いただくため、都営地下鉄の駅周辺や都営バスのターミナル周辺のアセット開放をお願いしたい」と要望した。

KDDIは、東京都が公表したアセットのうち66件で5G基地局の設置申請を行っており、東京都産業労働局 秋葉原庁舎や青山高等学校校舎など4件がすでに開局済みだ。秋葉原駅前で実施したスピードテストでは約750MbpsとLTEの約12倍の速度が測定されたという。

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