ICT×未来

LTEをグレードアップさせる新技術が盛りだくさん

2014年実用化の「LTE-Advanced」を徹底解説

文◎藤井宏治(IT通信ジャーナリスト) 2010.10.25

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1Gbpsの高速通信を実現する4G規格「LTE-Advanced」の仕様が年内に固まる。まずは伝送容量拡大や孤立周波数の有効活用を可能にするLTEの改良版として2014年頃から導入が広がりそうだ。

FTTHでは最大通信速度1Gbpsを謳うサービスも珍しくなくなったが、ワイヤレスでこの1Gbpsというスピードを実現する新システムLTE-Advancedの標準化作業が大詰めを迎えている。

LTE-Advancedは、NTTドコモが今年12月から商用サービスを開始するLTE(Long Term Evolution)の「進化版」にあたるもの。W-CDMAやLTEの標準化を手がけた3GPPで、3GPPリリース10の一部として年内完成を目指して詳細仕様の策定が進められている。

LTEはITU-R(国際電気通信連合無線通信部門)で検討中の「4G」(第4世代移動通信システム、IMT-Advanced)の技術を先取りした3.9Gシステムとされるが、LTE-Advancedはまさにその4Gの候補として3GPPがITU-Rに提案しているものだ。

 

図表1 LTE-Advancedの標準化および商用化時期
図表1 LTE-Advancedの標準化および商用化時期


4Gに名乗りを上げている規格はもう1つある。IEEE802.16委員会が提案するIEEE802.16m(WiMAX2)だ。ITU-Rでは、この2つについてIMT-Advancedとして認めるかどうか審査しており、来年3月頃に開かれる会議(WP5D-10)で結論を出す。ここで認められればLTEは晴れて4Gに「進化」することになる。数年後に登場する“1Gbpsケータイ”――LTE-Advancedの実際の姿を探ってみた。

LTEを4Gへ進化させる

LTE-Advancedの開発目的は、一義的には現行LTEの機能を拡張し、4Gへの進化を実現することにある。4Gは3G携帯電話の後継として2000年代初頭からITU-Rで検討されてきたもの。開発目標は、低速移動/停止時1Gbps、高速移動時100Mbpsのデータ通信という意欲的なものだ。

だが、3Gがまだ立ち上らないなか、海外の通信事業者の4Gへの関心は薄く、当初2010年とされていた商用化時期も2015年頃に先送りになる公算が高くなった。そこで4Gの開発に積極的に取り組んできたNTTドコモを中心に、4Gに近いシステムを3Gの周波数帯に導入できる形でまず実用化、円滑に4Gにつなげていくというプランが打ち出された。これがLTEだ。

他方、2007年開催の世界無線会議(WRC-07)では、4G用の周波数帯として3.5GHz帯などを確保することで国際的な合意がなされる。これを受けてITU-Rは、08年に4Gの規格提案を募集。3GPPからはLTE-Advancedが提案されている。

ITU-Rは提案募集に際して、周波数利用効率、運用できる周波数帯域幅、遅延、移動性などを4Gの要求条件として定めているが、現行のLTEはすでにその多くをクリアしており、認定されるための技術的な課題は運用帯域幅の拡大や周波数利用効率の向上などに絞られている。

ITU-Rでは最大通信速度について、事業者が確保できる帯域幅によって左右されることなどを理由に4Gの要求条件に含めていない。だが、3GPPでは独自に下り1Gbps、上り500Mbpsの最大通信速度を実現することをLTE-Advancedの開発目標に掲げ、規格策定を進めている。

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