新製品&新サービス

IIJが産業IoTの新ソリューション、デバイスから可視化アプリまでワンパッケージで提供

文◎坪田弘樹(編集部) 2020.08.31

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インターネットイニシアティブ(IIJ)は2020年8月31日に記者説明会を開き、産業機械や工場設備をIoT化する新ソリューションを発表した。産機・測定機等をIoT化するデバイスからネットワーク、クラウド、アプリまでパッケージ化して提供することで、非情シス部門が主導するIoTプロジェクトを支援する狙いだ。


かつては情報システム部門が主導するPoC(概念実証)やトライアルがメインだった産業IoTの取り組みだが、最近はすっかり様変わりしているようだ。

IIJでIoTビジネス事業部長を務める岡田晋介氏は今回の記者説明会で、「ここ1~2年は事業部門や開発部門がIoTの取り組みに本格的に乗り出している」と現状を説明した。IIJのIoT事業においても、取引先の顧客部門は「約9割が非情シス部門。フロントである事業部門がIoTに取り組んでいる」(同氏)。

こうした変化を受けて、IIJのIoT関連売上も2019年度時点で対前年比49%増。案件数も2倍以上と急増しているという。


IoT導入に必要な機能一式を提供する「IIJ IoTサービス」


IIJの好調を支えている要因の1つが「IIJ IoTサービス」だ。ネットワーク、クラウド、セキュリティサービス等をワンパッケージで提供するもので、ユーザーはIoT導入に必要な機能一式をまるごと利用できる。

それともう1つ岡田氏がIoT事業の軸に挙げたのが、農業や製造業、エネルギーといった特定分野に特化したソリューション開発だ。上記の要素に加えて、IoTを使う現場ニーズに即したセンサーや可視化アプリケーション等を開発し、これらも含めたパッケージ型サービスとして提供している。IT関連のリソースを持たない非情シス部門がIoTを主導するケースに、まさに適している。



IIJがIoT向けに提供する機能群(図中の青色部分)


上の図表は、IIJが現在提供している機能群を示したものだ。「IIJだけでできない部分は、パートナーと連携している」と岡田氏。なかでも重要なコンポーネントとして同氏が挙げたのが、2019年8月に発表したアドバンテックとの協業である。

アドバンテックが開発・製造する各種センサー/デバイスを顧客企業向けに提供するのに加えて、2020年1月からは、同社がグローバルに展開している産業分野向けIoTプラットフォーム「WISE-PaaS(ワイズパース)」の国内展開も開始している。

“ワンパッケージIoT”で製造業の課題を解決
アドバンテックと共同開発してIIJのクラウド上で提供している、この「WISE-PaaS IIJ Japan-East」を基盤として今回新たに開発したのが「IIJ産業IoTセキュアリモートマネジメント」だ。産業機械や工場設備のリモート管理を実現するソリューションで、各種デバイス、ネットワーク、セキュリティ、アプリケーションまでパッケージ化して提供する。IoTビジネス事業部 ソリューションインテグレーション課の高舘洋介氏は、「お客様の多くが非情シスなので、ワンパッケージで業務課題を解決するソリューションを提供する」と意義を述べた。



IIJ IoTビジネス事業部長の岡田晋介氏(左)と、
ソリューションインテグレーション課の高舘洋介氏


同氏が話す製造業の「課題」とは2つある。

1つは、新型コロナウイルスの影響によりフィールド業務に様々な制限が生じていること。産業機械メーカーが納品先を訪問したり、設備担当者が自社工場へ出張したりする活動が、感染拡大防止のため制約を受けている。

2つめは、製品主導からサービス主導へのビジネス転換である。“モノ売り”から“コト売り”へのビジネス変革は、コロナ以前から製造業に突きつけられた重要課題だ。

新ソリューションはこれを解決するため、大きく2つの機能を提供する。「Machinery(マシナリー)」と「Factory(ファクトリー)」だ。

Machineryは、産業機械・計測器メーカーの保守担当向けの機能で、これらメーカーが自社製品をIoT化することを支援する。産機・計測器をネットワークに接続し、稼働状況のモニタリング等を可能にする、「いわゆるデジタルツインを実現する」(高舘氏)ものだ。



「Machinery(マシナリー)」の概要


特徴は、IIJの閉域網を通じて安全なリモートアクセスを可能にしている点にあり、先述の通りワンパッケージでソリューションを提供するため、容易に「フィールドメンテナンスをリモート化できる」。かつ、設備データをリアルタイムに収集し、故障対応の迅速化や保守点検の効率化につなげることが可能だという。

また、このモニタリング機能は、産機/計測器を使用するエンドユーザーが使用することも可能で、メーカーにとっては販売する製品の付加価値サービスとして監視機能を提供することもできる。

 

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