企業ネットワーク最前線

<特集>IoTの課題解決!10の最強メソッド(1)

IoTで何をすればいいのか分かりません――まずは経営課題の把握を

文◎坪田弘樹(編集部) 2019.08.29

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「IoTを始めたいが、何をすれば」と悩んでいるあなた。実はその悩み自体が間違いかもしれない。IoTはあくまでツール。まずはビジネス課題を書き出し、次にIoTで解決できるかを検討するのが正しいステップだ。

 
「IoTで成功するために最も大事なのは『As is』『To be』を作成すること。これができれば、(IoTの)7~8割はできたようなものだ」

そう語るのは、独立行政法人経済産業研究所(RIETI)と公益財団法人日本生産性本部(JPC)生産性総合研究センターで上席研究員を務める岩本晃一氏だ。

同氏は、2016年からRIETI(2018年からJPC)において「IoT、AIによる中堅・中小企業の競争力強化に関する研究会」を主宰。その参加企業の中には、数百万円の投資で1億円近い効果を上げた中小企業もあるという。

As is/To beとは、現状(As is)とあるべき姿(To be)のギャップから課題を見つけ出す手法のことだ。「経営課題のない会社などない。現場の社員にアンケート調査やヒアリングを行い、経営層と社員が共に議論すれば、どんな会社でもAs is/To beは作れる」と岩本氏。上記の研究会は中堅中小企業を対象としたものだが、大企業でもその有効性に変わりはない。

そして、見出した課題への解決策を考えていくなかで、IoTが有効なものを探していく。これが正しい「IoTの始め方」だ。

忘れてならないのは、IoTはあくまで道具の1つに過ぎないこと。課題のなかには、業務プロセスの見直しや別のITツールの導入等で解決可能なものもあるはずだ。十分な検討なしに「とりあえずデータを取ってみよう」とIoTを始めることは、絶対にやめるべきだ。

独立行政法人経済産業研究所(RIETI)上席研究員(特任)、公益財団法人日本生産性本部(JPC)生産性総合研究センター 上席研究員の岩本晃一氏
独立行政法人経済産業研究所(RIETI)上席研究員(特任)、
公益財団法人日本生産性本部(JPC)生産性総合研究センター 上席研究員の岩本晃一氏



事業インパクトで優先順位IoTで解決できそうな課題のうち、どれを選択するかも重要だ。

「その課題を解決することによってどんなベネフィットがあるのか、事業へのインパクトを見極める必要がある」と、IoT支援のコンサルティング等を手がけるウフル X United IoT Innovation Center ゼネラルマネージャーの米田隆幸氏は話す。

例えば、これまで人手で行っていた作業を自動化するのにIoTを用いるケースは多い。しかし、最初に期待できる効果を算出しておかないと、「楽になってよかった」「ミスがなくなった」と現場の評価は上々だったとしても、投資に見合った価値は得られなかったということもあり得る。それでは次が続かない。

投資効果を高めるためには、IoTで「見える化」した後のアクションが明確な課題を選ぶといい。取得したデータと分析結果を、どのようにビジネスで活かすのかが、IoTの鍵だからだ。

ウフル X United IoT Innovation Center ゼネラルマネージャーの米田隆幸氏(右)と、シニアマネージャーの池澤将弘氏
ウフル X United IoT Innovation Center ゼネラルマネージャーの米田隆幸氏(右)と、
シニアマネージャーの池澤将弘氏



分かりやすい例が、製造業における機械の稼働率だ。

稼働率は高いほうが良いに決まっている。工作機械からデータを取り、全体に比べて低い部分がある、通常時よりも低い時間帯があるなどの問題があることが分かれば、その前工程を見直して稼働率の変化を確かめるといったアクションが取りやすい。

シスコシステムズで多くのIoTプロジェクトを手がけてきたイノベーションセンター長の今井俊宏氏は、「以前は『データを取る』ことが目的化した例もあったが、最近は、データをどう使うかまできちんと考えたうえでプロジェクトを走らせるように変わってきている」と話す。データが主役ではなく、「人を活かすためにデータを取る・使う」ことがIoTの本質だ。
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