ワイヤレスジャパン2019/ワイヤレスIoT EXPO 2019「疑似5G基地局」を出展するキーサイト、5G用のモジュールをテスト

5Gサービスが韓国や米国で始まった。当然ながら、端末側も5Gに対応しなくてはならない。さらに5Gは当面NSA(ノンスタンドアローン)方式で提供される。そのため、端末は5Gの電波と同時に制御信号をLTEで捉える必要がある。そのために「疑似基地局」を提供しているのがキーサイト・テクノロジーである。

通信事業者向けのテストソリューションなどを提供するキーサイト・テクノロジー。ワイヤレスジャパン2019/ワイヤレスIoT EXPO 2019の同社ブースでは、様々なテスト機器・ソリューションが出展されている。
同社の徳田裕司氏によると、特に来場者の注目を集めているのが、「疑似5G基地局」だという。
5G NR シグナリングテスタ(基地局シミュレーター)の「UXM 5G」

韓国で発売されている5G対応スマホ「Samsung Galaxy S10 5G」が
シールドボックスに格納されてテストされている

疑似5G基地局の名の通り、実際にスマートフォンなどで5G通信できるかをシミュレーションできる装置だ。サムスンなどの端末メーカーのほか、日本ではNTTドコモが実験室などで使っているという。
具体的にどこまでテストできるのか。まず、デモではNSA(ノンスタンドアローン)方式の5Gに対応できるかをテストしていた。「5Gの電波に加えて制御信号はLTEで提供されるため両方に対応しなくてはならない」(徳田氏)。そのためLTEでの通信も同時にできるかをテストする必要がある。
テスト結果を示す画面。赤枠で囲ったうち
左側がLTE、右側がサブ6GHz帯(5G)を示しており

どちらもCONNECTEDと表示されている

徳田氏はもう1つ紹介してくれた。それが信号発生装置「M9384B VXGマイクロ波信号発生器」である。「先ほどのUXM5Gは端末などの完成品をプロトコルレベルで通信できるかテストする。信号発生装置はアンプなどの部品に信号をあててテストする装置で、物理層までのテストに使われる」。こちらは各部品のメーカーが幅広く利用しているという。

5Gの信号発生装置「M9384B VXGマイクロ波信号発生器」

1MHzから44GHzまで、最大2GHzの帯域幅を占有した

場合の信号などをテストできる

最後に、無線技術ではないが、キーサイトブースでにぎわっていた製品を1つ紹介したい。DC電源の「E36200A」である。

説明員を務めているキーサイト・テクノロジーの小宮博之氏は「例えば車のパワーウィンドウなど、電気回路とモーターで駆動するモジュールにどれくらいの電力が必要なのかをテストできる」と説明した。

特徴的なのはマルチメーター機能が搭載されていること。小宮氏は「近年は省エネの影響もあり、モジュールがどれくらい電力を消費するのかを気にしているユーザーも多い。ただ、通常はマルチメーターと電源は分かれており、現場ではつなげるためにわざわざ別のものを用意している。弊社は測定器メーカーとして、μAまで高精度に測れるものをお出ししている」と話した。

DC電源のE36200Aシリーズ

同社のブースではこの他にもIoTネットワーク用のテストソリューションが多数公開されていた。

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