インターネット通信の大半が「常時SSL/TLS」化されるようになった。多くのWebサイトに通信するときは暗号化されているが、IoTにもセキュアな通信が求められている。
そこで、組込みシステム向けのSSL/TLS通信のライブラリを提供しているのが、米シアトルに本社を置くwolfSSLだ。ワイヤレスジャパン 2019/ワイヤレスIoT EXPO 2019で説明員を務めている wolfSSL Japan ソフトウェアエンジニアの宮崎秀樹氏は「フットプリントを少なくした、エッジデバイス向けのライブラリだ」と話す。なお、フットプリントとはプログラム動作時のメモリー使用量のこと。
宮崎氏は「例えば、スマートホームの掃除ロボットと本社、工場の製造管理装置からクラウドサーバーなどの通信を暗号化している」と解説した。
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wolfSSLのライブラリ群。 物理層からアプリケーションレイヤーまで 暗号化ライブラリをカバーしている。 また、組込みシステムでメジャーなC言語に加えて Java、C♯、Python、JavaScriptなどにも対応している |
注目すべき点は、同社のライブラリは無償で使えるオープンソースとして使い勝手を試せること。自社製品などに組み込んで展開する際に、有償のライセンスを購入する形になる。宮崎氏は「(商用ライセンスは)無料ライセンスと中身は全く変わらない。一度無料で使っていただいて、品質に納得していただければぜひ検討してほしい。また、ライブラリは弊社がスクラッチで1から開発したため、知財の手続きで悩むことはない」と語った。
さらに同社がブースで目玉としている1つが「wolfBoot」。宮崎氏は「IoT機器などのファームウェアのアップデートをセキュアに利用できる」と紹介した。ファームウェアのバージョンごとに電子署名を付与して改ざんを防止。さらにロールバック機能もあるため、ファームウェアの更新に失敗しても速やかに前のバージョンに戻すことができるという。
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wolfSSLのライブラリは基本的にオープンソースでも提供されており 個人で使う分には無償とのこと。一度試してから購入を検討できる |