企業ネットワーク最前線

ローカル5G免許は敷地・建物ごとに――総務省が自営5G向け28GHz帯の「割当方針案」

文◎藤井宏治(IT通信ジャーナリスト) 2019.04.02

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

年内に先行利用が始まる28GHz帯・100MHz幅のローカル5G用帯域。その「割当方針案」を総務省が示した。自営5G網は、どのような形で利用可能になるのだろうか。

 
5Gを自営網として使える「ローカル5G」への割当が計画されている周波数帯のうち、年内にも利用可能になる28GHz帯・100MHz幅の利用イメージが見えてきた。

2月1日に開かれた情報通信審議会「ローカル5G 検討作業班」の第4回会合で、総務省は昨年末から行ってきた構成員からの意見聴取を踏まえた「検討の方向性」を提示。その中でローカル5Gでの利用が検討されている周波数帯のうち、先行して8月までに制度整備を終える予定の28.2-28.3GHzについて、「基本的な割当方針案」(以下、「方針案」)が提案された。

さらに作業班で併せて検討されている「自営BWA」─地域BWAバンド(2575-2595MHz)を利用するLTEベースの自営無線システムについても、8月までに制度整備を終える方針が打ち出された。

今回提示された「方針案」をベースに、ローカル5Gと自営BWAの免許割当イメージについて見ていくことにしよう。

「場所」の権利者に免許付与総務省は「方針案」において、ローカル5Gのコンセプトを「5Gシステムを用い、ローカルニーズに基づく比較的小規模な通信環境を構築するもの」と定義。そのうえで、「無線局免許を自ら取得することも、免許を取得した他社のシステムを利用することもできる」としている。

自営網としての利用だけでなく、通信事業者やSIerなどが免許を取得し、ローカル5Gサービスを提供することも許容されているのである。

もちろん、ローカル5Gによるサービス提供は、無制限に認められているわけではない。

「方針案」ではまず、「自己の建物内」または「自己の土地の敷地内」の「所有者利用」を基本とすることが示された。この「所有者」には、借地契約や建物の賃貸契約を結んだ者も含まれる。

ローカル5Gの免許は基本的に、その「場所」を利用する権利を持つ企業などに与えられるのだ。

利用エリアが敷地内や建物内に限定されても、建設機械の遠隔操作や産業用ロボットの自動運転など、企業向けの5Gのユースケースの多くは実現できる。

さらに方針案では、「所有者」から委任や同意を受けた者も、その範囲で免許を取得できるとした。これにより、前述の通信事業者/SIerなどによるローカル5Gサービスの提供が可能になる。ローカル5Gのシステム構築/運営支援は今後大きなビジネスに育ちそうだ。

こうした枠組みは、年内に先行して利用可能になる28GHz帯の電波の「あまり遠くまで飛ばない」という特性を活かしたもの。利用エリアを敷地内や建物内に限定することで、同じ周波数を利用するユーザー間の干渉を回避できる。そのため多くのユーザーで帯域を共用でき、周波数の有効利用も図れる。

今回の「方針案」で注目されるのは、道路やローカル5Gを利用していない他の所有者の土地を横切って、自らの施設をカバーする「道路利用」と「他者土地利用」も認める方向性が示されたことだ。

これにより、効率的なエリア構築が可能になる。CATV業界が希望しているローカル5Gを活用した高層マンションへの映像サービスの提供も実現しやすくなる。

この「道路利用」と「他社土地利用」は原則として、端末と基地局が移動しない「固定的利用」に限定される。移動通信型の広域サービスに利用されることを防ぐためだ。

また、横切る土地の所有者がローカル5Gを利用し始める場合には、アンテナの移動などの干渉回避措置が求められる(図表)。

 

図表 作業班で示された「ローカル5Gの利用イメージ」[画像をクリックで拡大]
図表 作業班で示された「ローカル5Gの利用イメージ」

続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

apresia2001
HACCP2001
1912_webex

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】5G思考 「大転換」を勝ち残るための8つの思考
<野村総研 桑津浩太郎氏>人とAIのハイブリッド <ALSOK>マルチタスク化 <北海道大学 教授 野口伸氏>無人化 <クロサカタツヤ氏>ユーザー企業主導 <Jリーグ、パシフィックリーグマーケティング>デジタルの絆 <時空テクノロジーズ>インタラクティブな共有体験 <東京都、前橋市>つながる都市 <テラドローン>タイムマシン経営

[インタビュー]グレープ・ワン 小竹完治社長「ローカル5Gは地域BWAと全然違う」 [ソリューション特集]SD-WAN & WAF ほか

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

一般社団法人新規事業・新規市場創出研究会国内唯一の5G/6G調査研究会!

「5Gでの日本の遅れを取り戻したい」。5G、6G、MaaSをテーマにした調査研究会が4月に運営開始する。

sXGPsXGPはローカル5G導入の第一歩

まもなく帯域が拡張されるLTEベースの自営無線「sXGP」は、ローカル5G導入のファーストステップとなる!

マクニカネットワークスHACCP対策の切り札となるIoT
LoRaWANで冷蔵庫内もデータ取得

食品業界に義務付けられるHACCP。IoTで手間と人為的ミスを削減できる

住友商事マシネックスついにオラクルがSD-WANに参入!
 クラウド接続に最適な高品質NW

Oracle Failsafe SD-WANは、ネットワーク品質を劇的に変化させる。

APRESIA Systemsローカル5G参入を強力サポート

APRESIA Systemsの「ローカル5Gシステム」はローカル5Gに必要な機能に絞り込み、導入を強力サポート

NECプラットフォームズ教育用ネットワークをトータル提案
IPv6活用でコスト削減・高速化

快適な校内無線LANには、VPNなど校外NWの整備も必要だ!

アット東京AWSやGCPなどメガクラウドに
直結する新時代のデータセンター

アット東京のデータセンターは“つなぐ”価値に磨きをかける!

ヤマハ仮想NWを始めるならヤマハで!

ヤマハの仮想ルーター「vRX」なら、これまでのノウハウをクラウドでも活かせる。

日本ソルテック学校ネットワークを簡単・安価に

日本ソルテックのクラウド管理型無線LANは、専門学校、介護施設を中心に豊富な導入実績!

シスコシステムズ世界で選ばれているオンライン会議
簡単にワンクリックで会議に参加!

Cisco Webexは社内外、誰とでも高品質なオンライン会議が行える。

エイチ・シー・ネットワークス株式会社ネットワークに迫る人手不足の危機
遠隔監視と予防保全で乗り越えろ!

光ファイバの保守現場の深刻な技術者不足。日立金属はどう対応した?

ハイ・アベイラビリティ・システムズ「全て」を一括認証できるSSO
簡単導入でパスワード管理から解放

AccessMatrix USOなら導入や運用も容易にシングルサインオンを実現!

ジェムアルト株式会社マルチクラウド時代の情シスを救う
認証プラットフォーム!

認証・特権ID管理をきめ細やかに! 自社サービスとしても展開可能。

アクセスランキング

dwpreport
tc_banner191122

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2020 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます