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[特集]エッジコンピューティング最新案内

モバイルキャリアが5G時代に描く「エッジコンピューティング活用」

文◎村上麻里子(編集部) 2018.11.12

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5GとMECを活用したVRのデモ風景
(ソフトバンクの「5G×IoT Studio」)

5Gの特徴を活かしたサービスの創出には、分散データ処理や低遅延応答を実現するエッジコンピューティングの活用が不可欠だ。具体的に動き始めたNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの3社に話を聞いた。

 
2020年の5G(第5世代移動通信システム)商用サービス開始を前に、モバイルキャリア各社がエッジコンピューティングへの取り組みを本格化している。

エッジコンピューティングとは、端末の近く(エッジ)に設置したサーバーを使い、ローカルに閉じたかたちで通信処理やデータ処理を行う技術のこと。その主な特徴として、(1)超低遅延、(2)高セキュリティ、(3)伝送コストの削減がある。

自動走行や遠隔制御、あるいは膨大なデータを扱うIoTサービスなど、5Gならではのサービスの実現にあたっては、こうした特徴を持つエッジコンピューティングとの連携が重要なカギを握ると見られ、モバイルキャリア各社は力を入れているのだ。

ではNTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの国内モバイルキャリア3社は、エッジコンピューティングを活用し、具体的にどのようなサービスを提供しようと考えているのだろうか。

 

図表1 エッジコンピューティング技術のイメージ
図表1 エッジコンピューティング技術のイメージ


東京五輪で新たな観戦スタイル最も早期に実現する可能性が高いのが、特定エリアに限定されたサービスだ。

一例として、スタジアムで行われている試合のリアルタイム映像や選手情報の配信がある。スタジアムにいる観客に配信するには、いったんクラウドを経由するよりも、エッジで処理した方が遅延は少なく、トラフィックの伝送コストも抑制できる。

大容量トラフィックの伝送と処理を特定のエリア内で完結させるという意味から、NTTドコモ 先進技術研究所 スマートICT基盤研究グループ主幹研究員の岩科滋氏は「トラフィックの地産地消」と表現する。

NTTドコモ 先進技術研究所 スマートICT基盤研究グループ 主幹研究員 岩科滋氏
NTTドコモ 先進技術研究所 スマートICT基盤研究グループ 主幹研究員 岩科滋氏



モバイルキャリア各社は、自席以外の多視点からの観戦を可能にしたり、スタジアム周辺にいる人にもあたかもスタジアムにいるかのような体験を提供するなど、新たなスポーツ観戦スタイルの実現に向けて、5Gを活用した実証実験を行っている。

その1つに、VRによる高臨場感観戦がある。VRコンテンツの視聴にはヘッドマウントディスプレイやスマートフォン/タブレットが使われるが、その映像処理能力には限界がある。そこでエッジコンピューティングを活用するのだ。「お客様に十分満足していただくには高精細なVR映像にポータビリティは不可欠であり、そのためにはモバイルネットワークのエッジに処理をオフロードすることが必要になる」とソフトバンク 先端技術開発本部 先端事業企画部 部長の船吉秀人氏は話す。

(左から)ソフトバンク先端技術開発本部 先端事業企画部 部長の船吉秀人氏、先端技術開発本部 先端事業企画部 課長の山田大輔氏
(左から)ソフトバンク先端技術開発本部 先端事業企画部 部長の船吉秀人氏、
先端技術開発本部 先端事業企画部 課長の山田大輔氏



モバイルキャリア各社は5Gが始まる2020年を目途に、こうしたサービスの実用化を目指している。東京オリンピック・パラリンピックでは、会場となるスタジアムに限定した形となるかもしれないが、新たなスポーツ観戦スタイルが楽しめる可能性が高い。
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