sXGPのフィールド試験、BBバックボーンが10月から開始

ビー・ビー・バックボーン(以下、BBバックボーン)は、2018年9月21日に都内で開催したプライベートイベントで、10月からNEGや富士通などとsXGPのフィールド試験を実施すると明らかにした。

sXGPは、事業所用コードレスで用いられる自営PHSの後継となるLTEベースの自営無線システム。技術基準適合証明を取得すれば、市販のLTEスマートフォンの多くがsXGP事業所コードレスの子機として利用できる。BBバックボーンでは、PBX大手5社と提携し、sXGP端末向けのMVNOサービスなどを展開する計画だ。

BBバックボーンは、すでにsXGPの伝送試験を実施しており、10月から行うのは商用環境でのフィールド試験。取締役副社長兼COOの戸坂豪臣氏はsXGPの今後の展開について、「sXGPは事業所コードレスの後継として始まるが、業務効率化ソリューションや、IoTでの利用など高度化を推進していきたい」と意欲を見せた。

フィールド試験は、BBバックボーンがパートナーであるPBXベンダーなどと協同で行うもので、NECは玉川事業所の実験棟とオフィス棟の一部フロアの自営PHSをsXGPに置き換え、運用性の確認なども行う。

NECはsXGP関連ビジネスとして、IP-PBXとともにスマートフォン向けの業務アプリケーションにも力を入れていくという。

富士通は、IP-PBXに加えて、sXGPの運用に必要となる仮想化コア(vEPC)に注力する。講演では、通信網に高い信頼性を求める医療機関や鉄道事業者などのニーズを踏まえ、二重化構成のvEPCソリューションをアピールした。

NECと富士通は、フィールド試験の結果を検証し、2019年度にsXGPの展開を本格化させる考えだ。

今回のフィールド試験には、Accuverが開発したsXGP基地局「SC-120J」が用いられる。Accuverは、国内外の通信事業者に小型LTE基地局を提供しており、累計出荷数は10万台を超える。同社によれば「SC-120JはsXGP基地局で初めてARIB(電波産業会)の規格に準拠したもの。すでに技術基準適合証明も取得している」という。SC-120Jは、1基地局に16台の端末が同時接続可能だ。

Accuverが開発した初のARIB規格に準拠したsXGP基地局「SC-120J」
Accuverが開発した初のARIB規格に準拠したsXGP基地局「SC-120J」

BBバックボーンでは今後、ユーザー企業が参加する形でのトライアルも計画している。

医療現場における無線システムの安全な利用をテーマに講演した滋慶医療科学大学院大学(大阪市)の加納隆医療管理学研究科教授は、sXGPについて「専用の帯域を使うため、Wi-Fiより安定した通信が期待できる」と評価。そのうえで、医療機器の通信での利用を想定した実証試験を、埼玉医科大学で行う考えを明らかにした。

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