<特集>映像IoT映像IoTで「防犯」が新次元――埋もれた顔を探しだせ!

様々な領域に映像IoTが広がる一方、昔から我々の安全を守ってきた防犯カメラもAIのパワーを得て進化している。膨大な映像の中から不審人物を炙り出す技術に磨きがかかっている。

ここで問題。異なる場所・時間に撮影した下の9枚の画像の中に同じ人物がいる。探し出せるだろうか。

画像を拡大し鮮明化したとしても難しいに違いない。顔を指定して「この人を探せ」というならまだしも、すべての顔を照合する作業は難易度が高い。しかも、これが映像監視なら、次々と人が入れ替わるため見つけ出すのはほぼ不可能だ。

異なる時間・場所で撮影された9枚の画像。このなかに同一人物がいる。映像認識AIなら瞬時に特定できるという
異なる時間・場所で撮影された9枚の画像。このなかに同一人物がいる。
映像認識AIなら瞬時に特定できるという

同一人物を高速検索だが、AIによる顔認識なら驚くほど短時間で特定することが可能だ。自動検出した顔画像から特徴を抽出し、高速に照合を行って同じ人物を特定できる。

この技術を得意とするのがNECだ。強みはスピードである。

通常は、1つひとつの顔を照合していくため作業量は膨大になる。10枚の画像なら45回、1000枚なら約50万回、10万枚なら約50億回の照合が必要だ。いくらコンピュータを使おうとも相当な時間がかかる。

これを、類似データを効率よくグループ分けする独自技術を使い、高速に同一人物の顔を特定できるようにしたのが、NECの映像解析AI「NeoFace Image data mining」だ。大量の画像の中に埋もれた1つの顔を、極めて短時間に探し出せるという。セーファーシティソリューション事業部 セーフティ事業戦略室マネージャーの鈴木武志氏はこう話す。

「従来の顔照合は、あらかじめ分かっている人しか照合できなかった。いわゆる“不審者リスト”にない顔は見つけられない。だが、実際には“それでも何か識別したい”というニーズがある。大量の画像から同一人物を高速に特定できれば、これまでは知ることができなかった情報を映像から得ることができる」

月刊テレコミュニケーション2018年8月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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