KDDIがxR技術活用へ、スマートグラス開発の米ODGと戦略提携

KDDIは2018年4月26日、仮想現実(VR)や拡張現実(AR)、複合現実(MR)技術とスマートグラスを組み合わせた新サービスの開発に向けて、米ODGと戦略的パートナーシップを締結したと発表した。両者は共同で日本国内に向けたスマートグラス製品の企画・開発を行うとともに、2018年6月以降、国内のパートナー企業とxR技術とスマートグラスを活用した実証実験を進める。

スマートグラスは、すでに多くの現場で使われている――。

米ODG(Osterhout Design Group)でCOOを務めるピート・ジェイムソン氏はそう話し、同社のフラッグシップモデル「R-9」等がビジネス現場で活用されている例を紹介した。2010年からヘッドマウントディスプレイを開発・製造している同社では現在、危険作業向けの「R-7」、3D映像表示が可能な軽量モデル「R-8」など複数モデルのスマートグラスを提供しており、製造現場や保守作業、医療、教育など様々なシーンで利用されているという。


ODGのフラッグシップモデル「R-9」

今回締結したパートナーシップでは、R-9をベースにKDDIがスマートグラスの国内利用をサポートする。合わせて、日本人が着用しやすいデザインにカスタマイズし、実証実験を通じて利用の可能性を追求していくという。

また、KDDIおよび国内パートナー企業がxR技術を活用した多様なコンテンツを開発する。ビジネス向けだけでなく、B2B2C型のビジネスモデルでコンシューマ向けサービスの企画開発にも取り組む計画だ。ジェイムソン氏はスマートグラス関連市場について「今後、ビジネスモビリティとコンシューマ市場もかなり大きくなることは確実」とし、「KDDIおよびそのパートナーと、日本で没入感のあるアプリケーションを提供する」と展望を語った。


国内パートナー企業の取り組みをサポートし、B2B、B2B2Cビジネスの創出を目指す

具体的な取り組みとして、KDDIで商品・CS副統括本部長の山田靖久氏は、「2018年の夏に、JALと実証実験を行う」と話した。空港ラウンジにて、スマートグラスでVRコンテンツ等を楽しめる機会を提供。将来的には「機内でも活用いただけるようにする」ことも検討しているという。


(左から)ODG COOのピート・ジェイムソン氏、KDDI 商品・CS副統括本部長の山田靖久氏、
Qualcomm Senior Directorのヒューゴ・スワート氏

なお、ODGのスマートグラスはクアルコム製のチップセットを搭載しており、Android OSのため既存のスマートフォン向けアプリケーションとの親和性が高いことも特徴という。実証実験で使用するR-9は、Snapdragon 835を搭載し、単体での位置トラッキングにも対応したVR/ARアプリケーションが利用できる。現在は通信機能としてWi-Fiを搭載しているが、KDDIとODGはセルラー通信用のモデム搭載をクアルコムと検討する予定だ。

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