企業ネットワーク最前線

LTE網オープン化の2つの潮流――汎用ハードとOSSでセルラーネットワークを作る

文◎坪田弘樹(編集部) 2018.04.25

  • bookmark
  • Teitter
  • 印刷

汎用サーバーとオープンソースソフトウェア(OSS)でLTEネットワークを作る――。そんな目的を掲げる2つのプロジェクトが進んでいる。免許不要周波数帯を使う「自営型LTE」の後押しにもなりそうだ。

 
ここ数年、OTTが利用するオープンな技術を通信事業者が採用する動きが加速している。SDNやNFVがその代表例であり、最近では、搭載するOS/ソフトウェアを柔軟に選べるホワイトボックススイッチの導入を検討する通信事業者も出てきた。

その狙いは、特定ベンダーの製品・技術への依存度を下げ、汎用ハードウェアとソフトウェアを組み合わせてインフラを構築・運用することでコストを削減し、併せてOTTのような柔軟性と拡張性、俊敏性を獲得することにある。

データセンター内から始まったこのオープン化は今や、モバイルネットワークにも波及しようとしている。

仕掛け人はフェイスブック注目すべき動きが2つある。

1つは、フェイスブックが主導する「Telecom Infra Project(TIP)」で開発が進む無線通信プラットフォーム「OpenCellular」だ。TIPは通信インフラのオープン化とコモディティ化を目的とし、100以上の企業・団体が参画。NTTやKDDI、ドイツテレコム、テレフォニカ等の通信事業者も名を連ねている。

もう1つは、フランスの大学院大学EureComが立ち上げたOSSプロジェクト「OpenAirInterface(OAI)」だ。汎用プロセッサ上で動作するOSSで無線ネットワークを実現することを目的とする。TIPに比べると小規模だが、ノキアのベル研究所、中国TCL、仏オレンジ、富士通等がコアメンバーを構成し、2017年後半にはシスコシステムズとサムスン電子も加わった。

 

図表1 セルラーネットワークのオープン化を目指す2つのプロジェクト
図表1 セルラーネットワークのオープン化を目指す2つのプロジェクト


OpenCellular、OAIともにハードウェアとソフトウェアの設計・開発が活発に行われており、それらを用いたフィールドトライアルも実施されている。実用化されれば、通信業界に与える影響は大きい。

まず、キャリア向けインフラ市場の活性化が期待される。新規参入が促進され、インフラコストの低廉化が見込める。

IoT普及の後押しにもなる。

IoT向け通信サービスはスマートフォンに比べて1加入当たりの収益が小さく、それが通信事業者の投資を妨げる要因になる。設備コストの低減は、その解決につながる。

また、これまでは通信事業者が構築・運用するものだったセルラー網の“民主化”も期待できよう。免許不要周波数帯を使ってLTE網が構築できるMulteFire等を使って、通信事業者以外が「自営型LTE」を作ろうとする動きが起きつつあるが、その設備も安価に調達できるようになる。
続きのページは「business network.jp」の会員の方のみに閲覧していただけます。ぜひ無料登録してご覧ください。また、すでに会員登録されている方はログインしてください。

スペシャルトピックスPR

limelight1805
d-link1805
intel1806

>> 今月の月刊テレコミュニケーション

月刊テレコミュニケーション【特集】NETWORK SHIFT
         DX時代の新しいネットワーク戦略とは?
●ネットワーク仮想化最前線/●AI時代のネットワーク運用/●AWSに学ぶネットワーク構築/●SD-WANの現在地/●キャリア・OTTで進むネットワークのオープン化/●ISDN&PHSの移行戦略

◆[インタビュー] OKI 坪井正志常務「社会インフラ×IoTに確信」 ◆大量接続と低遅延を両立の「次期5G NR」 ◆NTT、B2B2Xの世界展開へ

>>詳しい目次を見る

ホワイトペーパー

スペシャルトピックス

F5ネットワークスセキュリティやGi-LAN仮想化など
モバイルインフラの強化に貢献

5G移行を控えた今、F5ネットワークスはどんな価値を提供できるのか?

moconavi今いる場所がオフィスになる!
moconaviで安全なモバイルワーク

場所を問わない新しい働き方の実現には、ICT環境の整備も不可欠だ。

サンテレホンサンテレホンがICT総合展示会
ビジネス伸ばす製品群が一堂に

東京ドームシティ・プリズムホールで7月18・19日開催!

インテル5Gをエンドツーエンドでカバー
新たな価値創出を目指すインテル

インテルは強みの仮想化技術で5G時代のネットワーク構築に貢献する。

コマーチキャリア向けOSS/BSSに強み
自動化やe-ヘルスで社会課題解決

自動化やe-ヘルスで多くの実績を持つコマーチが日本市場に参入した。

ブロードメディア・テクノロジーズ小森コーポレーションが
Aryakaで日中間通信を安定化!

日系企業の中国ビジネスに立ちはだかるのが通信環境の問題だ。

IIJグローバルソリューションズ日中間ネットワークの安定運用へ
VPN規制を乗り切る解決策提供

安定的な越境通信を実現するには何が必要か?

NTTコミュニケーションズIoTビジネスの種まきから結実まで
NTT Comの「次の一手」とは

自社発行型eSIMでの新サービス提供に期待!

SAS Institute Japanデータ分析の老舗、SASが提案するIoT時代のデータ活用

IoTのはじめの一歩を踏み出す前に考えるべきポイントは?

SigfoxSigfoxが開始1年で100万回線!
いよいよ花開くIoTビジネス

LPWAの代表格「Sigfox」の最新動向と活用事例を徹底レポート!

WatchGuard Wi-Fi Cloud不正APを自動遮断するWIPS搭載!
ソーシャルWi-Fiで販促支援も

セキュアな無線LAN環境を実現できる「WatchGuard Wi-Fi Cloud」

無線LAN構築・運用のポイントをSCSKが語る

無線LANの大きなトレンドとなっている「クラウドWi-Fi」で課題解決!

ジェイピー・セキュア導入実績100万サイト以上の
国産WAF「SiteGuard」

業界最速レベルで防御機能を提供するジェイピー・セキュアのWAF製品

ライムライト・ネットワークスクラウド型WAFでWebサイトを保護

ライムライトなら、自社のCDNやDDoS対策との多層防御でオリジンサーバーを攻撃から防御できる。

Office 365ユーザは使わなきゃ損
Teamsでチームワークが劇的に!

Office 365の新ツール「Teams」を使い始める企業が続出している。

アクセスランキング

tc1807_b
56
compass

「通信」の力でビジネスを進化させるbusinessnetwork.jp

Copyright(c) 2018 RIC TELECOM Co.,Ltd. All Rights Reserved. 記事の無断転載を禁じます