SPECIAL TOPICOffice 365の導入を成功に導くためのネットワークを見直すべき10のポイント

パブリッククラウド導入で失敗しないためには、ネットワークの見直し・再設計が必要不可欠だ。では、クラウドの利用に適したネットワークを構築するには、具体的にどのような点に気をつければよいのか。実際にOffice 365を導入したユーザーが陥った「失敗例」をもとに、クラウドを利用する際に押さえるべき10のポイントを整理する。

業務・情報システムをオンプレミスシステムからパブリッククラウドへと移行した後、ネットワークに起因するトラブルに見舞われる企業が後を絶たない。特に顕著なのが、社員が日常的に利用するグループウェアをSaaSに変えたケースだ。

従来とはケタ違いの量のインターネットアクセスが発生して回線がパンク。社員の使い方にもクラウド側にも何ら問題はないのに、社員からの「つながらない」「使えない」というクレームがIT部門やヘルプデスクに殺到するという例は珍しくない。「ネットワークの見直しをしなかったりサイジングが甘かったりで、稼働した途端にトラブルに見舞われるお客様は少なくない」と述べるのは、日本マイクロソフト クラウド&ソリューション事業本部 モダンワークプレイス統括本部 第1技術営業部 テクノロジーソリューションプロフェッショナルの趙泰寛氏だ。

そんな状況に陥らないために企業はどのような点に気をつければいいのか。Office 365ユーザーが実際に陥ったトラブルから、留意すべきポイントを整理していこう。

図表1 クラウドサービスを利用する時に気をつけるべき10のポイント
図表1 クラウドサービスを利用する時に気をつけるべき10のポイント

回線帯域、プロキシ/FWをチェック 事前のサイジング・検証は綿密に1つめのポイントは、冒頭でも述べたネットワーク帯域だ。従来はイントラネット内のサーバーにアクセスしていたものが、すべてクラウドへのアクセスに変わるのだから当然だが、Office 365導入後は一日中、大量のインターネットアクセスが生じる。

解決策はただ1つ、回線の増強しかない。だが、この見積りが甘い企業が非常に多いのだ。

ここで重要なのは、導入の準備段階で帯域の増強や、後述するネットワーク設備見直しにかかるコストを見積もっておくことだと趙氏は指摘する。“見切り発車”や“ぶっつけ本番”は厳に慎むべきで、小規模なトライアルを行ってどの程度の帯域が必要になるのかを精緻に検証する必要がある。「予算取りの段階で計算が甘いと、後で取り返しがつかない。ネットワークは最も重要なインフラなので、準備段階で検証とサイジングをきちんとしておくべき」(趙氏)だ。

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