ICT×未来

5Gの“技術革新”の核心とは?(超高速大容量編)

文◎藤井宏治(IT通信ジャーナリスト) 2016.07.08

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5Gの高い能力は、1つの技術革新だけで実現するわけではない。5Gは、様々な最新技術の集合体だ。5Gの技術面について、超高速大容量、超低遅延、フレキシビリティの3つの観点から解説する。まず今回は、超高速大容量について見ていく。

高速大容量化(1) 帯域幅の拡大5Gという言葉を聞いて、まず思い浮かぶのが、最大10Gbps(ケースによっては20Gbps)という超高速大容量通信。その実現に不可欠なのが、これまで移動通信で使われてこなかった6GHz以上の高い周波数である。

無線通信においては、帯域幅が広くなるほど、高速大容量が可能になる。道路の幅が広がれば、それだけ多くの輸送量を実現できるのと同じ理屈だが、10Gbps以上の高速通信には数百MHzから1GHzを超える帯域幅が必要とされる。例えば、NTTドコモとエリクソンが行った5Gの伝送実験では、15GHz帯の800MHzの帯域幅を使うことで、10Gbpsを超える通信速度を達成した。

エリクソンがドコモと共同実験を行っている15GHz帯の5G伝送システム
エリクソンがドコモと共同実験を行っている15GHz帯の5G伝送システム

 

しかし、携帯電話や無線LAN、放送など様々な用途で現在使われている6GHz以下の周波数帯には、こうした広い帯域を確保できる余地は残っていない。

そこで目を付けたのが、これまで移動通信システムでの利用が難しいとされてきた6GHz以上の周波数帯だ。総務省の「電波政策ビジョン懇談会」が2014年にまとめた報告書では、「8.4GHz帯-80GHz帯のうち、計約23GHz幅を対象に、利用技術の研究開発・国際標準化を推進」と記されている。

28GHz帯が有力候補に

5Gで利用できる周波数帯は、2019年に行われるWRC19(世界無線通信会議:電波利用ルールを決める国際会議)で決まる予定だ。ただ、2020年の5G商用化を目指す通信事業者には、WRC19を待っているわけにはいかない事情がある。それでは機器開発が間に合わないのだ。日本も他国の状況を見ながら、“ガラパゴス”とならないよう、できるだけ国際的な協調がとれる周波数帯を模索していくことになる。

では、どの周波数帯が有力候補なのか。2020年に5Gで利用できそうな周波数帯は3つある。総務省が開催中の「電波政策2020懇談会」で、ドコモが提案した3つの周波数帯だ。

まずは6GHz帯以下の3.6-4.2GHz(4GHz帯)と、それよりやや高い4.4-4.9GHz(4.5GHz帯)。これらは元々5Gではなく、4Gでの利用が想定されていた周波数帯だ。

5Gらしい超高速大容量に必要な広帯域を確保できる周波数帯として、注目されるのは3つめの28GHz帯だ。米ベライゾンが2017年に5G技術によるサービス提供を計画する周波数帯である。ドコモ 先進技術研究所 5G推進室 室長の中村武宏氏は「28GHz帯には韓国も関心を寄せている。うまく協力すればWRC19を待たなくても、国を超えた5Gの展開が可能になるのではないか」と語る。

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