「NTTグループの海外戦略の牽引役に」~NTTコム庄司新社長インタビュー

2011年10月に「Global Cloud Vision」を発表して以降、NTTコミュニケーションズはクラウドサービスを中心にグローバル事業の強化を戦略的に進めてきた。世界市場にはグーグルやアマゾンなど強力なライバルがひしめいている。6月に就任した庄司哲也社長は「世界のマーケットでNTTコムのサービスが使われ、それを支える人材がいることを示していきたい」と飛躍への抱負を語る。

――2012年に持株会社からNTTコミュニケーションズ(以下、NTTコム)の副社長に着任してから3年間、主に法人営業を中心にNTTコムの事業を推進しました。これから社長として、何をミッションとしていきますか。

庄司 3年前は「Global Cloud Vision」を実現するという新たな流れの中で、「グローバル」と「クラウド」という新しいキーワードを営業の中で根付かせようとしている時期でした。ちょうど日本でもクラウドが普及し始めたタイミングと重なり、我々NTTコムがそうしたサービスをグローバルに展開できることをお客様に率先してご紹介できたことは、営業の責任者としてとても幸せだったと思っています。

有馬(彰・前社長)は2015年度にクラウド事業で「売上高2000億円」という目標を掲げました。私は、この事業をNTTコムの飛躍への基軸事業として位置づけ、その数字をさらに伸ばしていくことがミッションだと認識していますし、実際まだまだ伸びる可能性があると実感しています。

――NTTコムがNTTグループで果たす役割についてはどう考えていますか。

庄司 グループの中でグローバルにクラウドサービスを展開できる力とフォーメーションを持っているのは、NTTコムだけです。上位レイヤのNTTデータ、グローバルにシステムインテグレーション(SI)を手がけるディメンションデータとお互いの強みを組み合わせて、クラウドサービスを中心にグループ全体の海外売上高を伸ばしていく牽引役にならなくてはいけないと考えています。

クラウドサービスの基盤拠点数は、今年度末で世界13カ国/地域・16拠点に達する予定であり、NTTグループをグローバルで支えるだけの事業基盤はできあがっていると自負しています。

NTTコミュニケーションズ 庄司社長

――どのキャリアもそうですが、国内通信事業は音声通話収入の減少に歯止めがかからず、海外事業や新規事業を伸ばすしか成長の方法がないというのが実情です。

庄司 国内収益のトレンドを見ると、成長する要素があまりないことは否定できません。とはいえ、我々としては新規顧客の掘り起こしも含めて努力しなければならない分野がまだあると見ています。

コスト構造の効率化を課題にしていますが決して後ろ向きな話ではなく、もっと効果的なネットワークに変えつつ国内の収益基盤を盤石にし、そこから上がる利益はクラウドサービスをグローバルに拡充するための原資にして必要なM&Aを積極的に行っていこうとしています。

月刊テレコミュニケーション2015年8月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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庄司哲也(しょうじ・てつや)氏

1977年3月東京大学経済学部卒業。同年4月日本電信電話公社入社。2005年7月西日本電信電話人事部長。06年6月同取締役人事部長。09年6月日本電信電話取締役総務部門長、総務部門内部統制室長兼務。12年6月NTTコミュニケーションズ代表取締役副社長。15年6月NTTコミュニケーションズ代表取締役社長(現職)

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