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【ワイヤレスジャパン】中小企業のモバイル化の決め手は「業界特化型クラウド」

文◎太田智晴(編集部) 2014.05.30

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ワイヤレスジャパン 2014の注目企画の1つとして行われている「中小企業クラウド&モバイル活用フォーラム」。5月29日には「業務アプリ普及への課題」と題して、パネルディスカッションが開催された。

モデレータを務めたのは、トゥモローズ 代表取締役で、ITコーディネータの堀明人氏。パネリストは、三和マッチ 専務取締役の西田耕滋氏、イーエスケイ 代表取締役社長の片山健史氏、NTTドコモ 第三法人営業部 担当部長の永野斉氏、東京商工会議所 財務・管理部副部長 情報管理課長の橋本一朗氏の4名だ。パネリストとして並んだのは、いずれも中小企業のモバイル&クラウド活用の現場を実際によく知る人たちである。


トゥモローズ 代表取締役 堀明人氏(ITコーディネータ)
トゥモローズ 代表取締役 堀明人氏(ITコーディネータ)


東京商工会議所では、クラウドとモバイルの複合型ショウルーム「クラウドワークスクエア」を昨年6月に東商ビル1階にオープンするなど、中小企業のクラウド&モバイル活用を積極的に支援している。橋本氏は、中小企業のモバイル活用の現状について、「まだタブレットを使ったことがない方が多い。そのため『まずは触ってみたい』と、体験セミナーが大変好評だ」と説明。体験セミナーでタブレットを気に入った社長がその後、会社の別の幹部をクラウドワークスクエアに連れてきて、体験を共有するといったケースもあるという。


東京商工会議所 財務・管理部副部長 情報管理課長 橋本一朗氏
東京商工会議所 財務・管理部副部長 情報管理課長 橋本一朗氏


このように、「スマートデバイスをまだ使ったことがない」という中小企業はいまだ多いわけだが、実際に体験して「業務に活用してみよう」と次の段階に進む際に浮上するのが、どういった業務アプリを使えばいいのかという問題。

今回のパネルディスカッションの本題であるが、中小企業にモバイルやクラウドを提案・販売する立場であるNTTドコモの永野氏は、「中小企業にとって“分かりやすい”と思ってやってきた提案が、実は我々にとって“売りやすい”提案になっていたのではないか、と反省している」と発言した。

具体的には、グループウェアなどの汎用的なクラウドサービスをまず提案していたが、“ひとり情シス”もいない小規模企業の場合、グループウェアを導入しても効果が見込めないケースが少なくない。こうした提案が、かえってモバイルやクラウド導入のハードルとなっていたことも多かったという。そこで今後は、中小企業が本当に有効活用できる“業界特化型クラウド”に力を入れていく考えだ。


NTTドコモ 第三法人営業部 担当部長 永野斉氏
NTTドコモ 第三法人営業部 担当部長 永野斉氏


そうした業界特化型のアプリを開発・販売しているのが、三和マッチとイーエスケイだ。三和マッチが提供するのは美容院向けの「プロ・サロン システム」。予約や売上管理、Webサイトによる集客などの機能のほか、顧客のヘアスタイルを写真で記録・管理できる機能も用意しているのが「美容院向けならでは」である。

美容院では「いつも通りにカットして」と注文する顧客が多いが、ショートヘアなどの場合、細かいところまで記憶するのは難しい。そこで、タブレットで顧客のヘアスタイルを撮影し、その写真を記録・管理できる機能を搭載。「いつも通り」の要望に、より正確に応えられる。

西田氏によると、プロ・サロン システムは今年から本格的に販売が開始され、現在は100前後の美容院で使われているとのこと。なお、一口に美容院といっても、「要望は千差万別」であり、要望の多いものから機能強化を行っているそうだ。


三和マッチ 専務取締役 西田耕滋氏
三和マッチ 専務取締役 西田耕滋氏


イーエスケイが提供するのは、「MCPC award 2014」モバイルクラウド特別賞を受賞している農業アプリ「畑らく日記」だ。これまで多くの農家は紙のノートに栽培記録を記入してきたが、畑らく日記を利用すれば、スマートフォンで農業日誌を付けられる。「スマートフォンだから、フィールドですぐに記録できるし、ノートよりも質の高い膨大な情報を確実に記録できる」とイーエスケイの片山氏は紹介した。

特にこだわっている点は、現場で簡単に使えること。ユーザーインターフェースの向上に注力しており、例えば手が汚れていても入力できるように、音声入力機能も備える。現在の実質ユーザーは約1500で、主なユーザー層は30~50代の専業農家だという。


イーエスケイ 代表取締役社長 片山健史氏
イーエスケイ 代表取締役社長 片山健史氏


三和マッチとイーエスケイの業務アプリは、どちらも従来、ほとんどIT化が進んでいなかった業種をターゲットにしたものだ。スマートフォンやタブレットの大きな魅力の1つは、こうした業種のIT化に大いに貢献できることだが、そのためには業界特化型のアプリが欠かせない――。そう改めて強く感じたパネルディスカッションだった。

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