IOWN技術でデータセンターにおけるAI分析の低遅延化・省電力化を実現 NTTが開発実証

NTTは、IOWN技術を用いたリアルタイムなAI分析を省電力に実現する技術を開発したと発表した。APN技術やデータセントリック基盤(DCI)を用い、最大60%のトータル遅延時間短縮、最大60%の消費電力削減に成功したという。

NTTは2024年2月19日に開催した記者説明会で、データセンター(DC)におけるAI分析を低遅延かつ省電力に実現する技術を開発し、同技術を用いた実証実験を行ったと発表した。

具体的には、IOWN技術と郊外型DCを有効活用する。センサ設置拠点(エッジ)で行っていたAI分析を、ネットワークから端末までを光のままで伝送する「オールフォトニクス・ネットワーク(APN)」技術を用いて郊外型DCに集約。これにより、十分な用地と再生可能エネルギーを確保できるようになる。

また、広域に散在するデータを効率良く処理するためのICT基盤「データセントリック基盤(Date Centric Infrastructure:DCI)」を活用し、「リアルタイム性と高効率性の両立が実現可能になった」とNTTソフトウェアイノベーションセンタ システムソフトウェアプロジェクトグループリーダの榑林亮介氏は説明した。

NTTソフトウェアイノベーションセンタ システムソフトウェアプロジェクトグループリーダの榑林亮介

NTTソフトウェアイノベーションセンタ システムソフトウェアプロジェクトグループリーダ 榑林亮介氏

クラウドサービスの需要拡大により、膨大なコンピューティング能力を備える「ハイパースケールDC」の新設および増設が相次いでいるが、ハイパースケールDCは大都市圏郊外に建設されることも多く、大規模データの収集に伴う遅延やCPUオーバーヘッドにより、厳しいリアルタイム性が求められるサービスの提供が困難という問題点がある。

また、ユーザーの近くに設置することで低遅延処理を可能にする「エッジDC」も近年注目を集めているが、大都市圏では用地や電力が不足しているうえ、AI処理を収容可能なデータセンターを見つけることも難しい。今回NTTが開発した同技術が、これらの問題を解決するというわけだ。

サムネ

従来型のAI分析の課題

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