IIJ、特定SaaSの宛先情報を自動収集しローカルブレイクアウトを実現するサービス

インターネットイニシアティブ(IIJ)は2023年6月21日、予告なく変更されるSaaSの宛先情報を自動収集し、特定SaaSへの通信を拠点から直接インターネットに流すことで、ローカルブレイクアウトを実現する「IIJクラウドナビゲーションデータベース」を提供開始すると発表した。

サービスイメージ

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DXの推進を背景に、多くの企業でオンプレミスからクラウドサービスへ業務システムの移行が急速に進んだことで、クラウド宛ての通信トラフィックが増加している。テレワークの普及により、自宅などの社外環境での業務が定着した一方、店舗や工場、病院など、出勤が前提となる職場では、クラウドサービスへのトラフィックが企業ネットワークの設備リソースを圧迫し、遅延を引き起こすなどの問題も発生している。そうした課題を解消する方策として、特定SaaS宛の通信についてインターネットゲートウェイを介さずに、拠点から直接アクセスさせることで社内ネットワークの負荷を軽減させる「ローカルブレイクアウト」という構成がある。

ローカルブレイクアウトを実現する手段としてSD-WAN製品の導入などがあるが、高機能であるがゆえの複雑さや高コストが導入の障壁となっていた。そこで業態や業種を問わず、簡単で安価に導入可能であり、運用に多くの手間をかけることなくローカルブレイクアウトを実現し、クラウドサービスのさらなる活用を進めることができるネットワークの実現を目的とした「IIJクラウドナビゲーションデータベース」を開発したという。

同サービスは、国内法人IT市場でニーズの高いSaaS、クラウドサービスの中でMicrosoft 365、Google Workspace、Windows Updateのテンプレート(宛先リスト集)から利用することができる。宛先情報を自動収集し、各拠点のネットワーク機器へ経路を自動配信することで、運用の手間なく各拠点からのブレイクアウトが可能となり、ネットワークの輻輳を回避し、快適なクラウドサービスの利用を実現する。なお、テンプレートは今後拡充する予定だ。

あらかじめ用意されたテンプレート以外の宛先も、WebUI(管理画面)を利用して自由に設定することができ、更新した宛先リストは各拠点にあるネットワーク機器へ自動配布される。
IJのネットワークサービスが提供するフレッツのIPv6 IPoEと組み合わせることで、従来のPPPoE接続方式と比較してより快適な接続環境が利用でき、既存のフレッツ回線を活用した効果的なローカルブレイクアウトを実現することも可能だ。

料金は初期費用が12万円、月額費用が3万8000円。宛先テンプレート1つあたり月額2万5000円、ルーター1台あたり月額2000円となっている。

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