アルバがNaaSの新戦略「無線・有線LANもWANもまとめて自動化」

サービスとしてのネットワークを意味するNaaS(Network as a Service)の導入検討が加速している。背景にあるのが、リモートワークの普及やクラウドの利用拡大だ。より柔軟で拡張性が高く、運用がシンプルなネットワークが欲しい――。そんな声に応えるため、Arubaはネットワーク機能のサービス化と自動化を推し進めていくという。

「よりリーズナブルなかたちで、ネットワークをサービスとして月額で提供していく」

2022年4月21日に開催したイベント「Aruba ATM22 Watch Party」で、日本ヒューレットパッカード 執行役員でAruba事業統括本部長の田中泰光氏はそう述べた。ヒューレット・パッカード エンタープライズ(HPE)においてネットワーク事業を担うArubaがより一層、NaaSに注力していくという宣言だ。

日本ヒューレットパッカード 執行役員 Aruba事業統括本部長の田中泰光氏
日本ヒューレットパッカード 執行役員 Aruba事業統括本部長の田中泰光氏

HPE全体としても、Aruba単体でも近年、ICTインフラ向け製品/ソリューション提供のサービス化に力を入れている。

HPEは2018年から、従量課金モデルでフルマネージド型のITインフラを提供する「HPE GreenLake」を提供。データセンター/クラウドに加えて、企業のオンプレミス環境やエッジまで広範囲にXaaSモデルでビジネスを展開している。

Arubaも従来、クラウドから企業内の有線・無線LANを管理できる「Aruba Central」やSD-WANサービスの「SD-Brunch」、そして2020年に買収したSilver PeakのSD-WANソリューションをベースとした「Aruba EdgeConnect」を提供している。

そして今回、これらクラウドサービスを拡充するとともに、無線LANアクセスポイントやLANスイッチ等のハードウェアも含めて企業ネットワークに必要な機能をサービスとして提供する「HPE GreenLake for Aruba」のロードマップを発表した。

日本ヒューレットパッカード 執行役員 Aruba事業統括本部長の田中泰光氏
「HPE GreenLake for Aruba」の概要(クリックして拡大)

日本で急加速するNaaSのニーズ
“サービス化”はサーバーやストレージといったITインフラから波及し始めたが、ネットワーク領域においてもいよいよ、それが本格化してきている。調査会社IDCのレポートによれば、グローバルでは、すでにNaaSを導入済み、または2年以内に導入を検討している企業は69%にのぼる。

Aruba独自の調査によれば、日本はさらにその傾向が増しているようだ。田中氏によれば、上記のように回答した企業の割合は実に83%にも達したという。

ただし、IaaSやSaaSと比べるとNaaSの定義はまだ明確でなく、ベンダーごとに提供する機能やメリットが異なる。「HPE GreenLake for Aruba」はどのようなサービスになるのか。田中氏は、Arubaが考えるNaaSのコンポーネントとして次の4つを挙げた。

1つは、サブスクリプション型で利用できること。2つめは、ハードウェアもソフトウェアも利用できることだ。

3つめは、ネットワーク機能だけでなく、それを最適化するためのインサイトも合わせて提供すること。そして4つめが、マネージドサービスである。後者の2つは、ネットワーク運用の省力化・自動化につながる。

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