Dell Technologiesは2019年6月20日、ネットワーク事業戦略に関する記者説明会を開催。Big Switch Networks製品のOEM提供を始めると発表した。両社は以前からパートナーシップを結んでいるが、さらに踏み込む。
「SDNの先駆者であり、最も成功しているBig Switchの製品を、Dell EMCの製品として販売する。サポート・保守も私どもが直接責任をもって、一元的に日本語で行う」とDell Technologies ネットワーク事業部 事業部長の西澤均氏は説明した。
(左から)Dell Technologies Asia Pacific & Japan ネットワーキング事業担当 ゼネラルマネージャーのシャンカー・スブラマニアン氏、同 ネットワーク事業部 事業部長の西澤均氏、Big Switch Networks バイスプレジデントのスシール・チトレ氏、同 カントリーマネージャーの田島弘介氏 |
関係強化の背景には、これまでのパートナーシップでの成果があるようだ。
「グローバルのトップ2000社のうち、200社超がBig Switchとデルのソリューションを活用している。我々のソフトウェアが1ドル売れると、デルブランドのスイッチが2~3ドル売れる。Big Switchはソフトウェアのベンダーだが、一緒に売られたパートナーのハードウェアの売上も合わせると、アリスタと同じような売上規模になる」と米Big Switch Networks バイスプレジデントのスシール・チトレ氏は語った。
Big SwitchのSDNコントローラー「Big Cloud Fabric(BCF)」と、同社のネットワークOS「Switch Light OS」を搭載したDell EMCのスイッチを組み合わせたソリューションの「最大の強み」としては、「128ものスイッチで構成される巨大なネットワークを2~3時間で構築できる」点をチトレ氏は挙げた。
BCFの画面からではなく、OpenStackやVMware、コンテナのオーケストレーターからネットワークの管理・モニタリングを行うこともできるという。
Big Cloud Fabricを活用したデータセンターネットワークのイメージ
また、Big Switchのもう1つの主力製品であるモニタリングツール「Big Monitoring Fabric(BMF)」については、チトレ氏は次のように話した。
「データセンターが拡大していくなか、東西トラフィックの可視化はマストになっている。しかし、伝統的なパケットブローカーには、ボックスごとの管理になるなど、数多くの問題があった。これを置き換えようとしているのがBMF。コストも大幅に削減できる」
新しい製品である「Multi-Cloud Director」も紹介された。これは、複数サイトにまたがったBCFとBMFによるネットワークの管理・監視を1つに束ねるための製品。BCFとBMFでは、1つの環境の管理・監視しか行えないが、Multi-Cloud Directorを活用することで、複数サイトを一元的に管理・監視できるようになる。BCFとBMFはパブリッククラウド版も提供されており、オンプレミスとパブリッククラウドをまたがった統合管理・監視も可能だ。