――Dell EMCのオープンネットワーキング戦略が何を目指しているのか教えてください。
ナラヤナスワミー データセンター(DC)のお客様に、ソフトウェアデファインドなアーキテクチャを展開する能力を持っていただくことが我々の目的です。大切なのは、お客様が既存のインフラを使い続けながら、新しいSDN(Software-Defined Networking)技術も活用できるようにすることです。そのために、オープンシステムによるアプローチを進めています。
要点は3つあります。1つは、オープンスタンダードなハードウェアを提供すること。2つめは、お客様がソフトウェアを自由に選べること。そして最終的に、どのような要件にも応じられる柔軟性を持ったインフラを築いていただくことです。
Dell EMC APJ オープンネットワーキング/SDNソリューションズ担当ディレクターのラグパシー ナラヤナスワミー氏。2014年のデル入社以前は、シスコシステムズやディメンションデータで21年間にわたりネットワーキングソリューション、マネージドサービスに携わった |
5種のネットワークOSを選択・載せ替え
――具体的に、どのような製品によって実現するのですか。
ナラヤナスワミー 従来のネットワークは用途ごとに専用のハードとソフト、コントローラで構成されていました。
我々はそこにオープンなエコシステムを実現します(図表1)。お客様は、Dell EMCが提供するオープンな標準ハードにサードパーティ製のOSを載せて稼働させることができます。また、各種のSDNコントローラや、オーケストレーション・自動化ツールとも連携できます。こうすることで、お客様はアーキテクチャを自由に選択してインフラを構築できるようになります。
我々は20年前からコンピューティングの世界でこれを実践してきましたが、それをネットワークでも行っているのです。
図表1 Dell EMCのネットワーキングに対するビジョン:オープン化
――搭載するOSを選択できるホワイトボックススイッチを提供する動きは、他ベンダーにも広がっています。
ナラヤナスワミー その通りです。しかし、Dell EMCほど選択の幅が広いものはありません。
我々のスイッチでは、5つの異なるOSが稼働します。Big Switch Networks、Cumulus Networks、Pluribus Networks、IP Infusion、そしてDell EMC自身のOSが選択できます。我々は、スイッチのプラットフォームまでパートナーに公開することで、この柔軟性を実現しています。
お客様は、用途に合わせてOSを使い分けることで多様なユースケースに対応できるようになります。また、一旦稼働した後も、OSを載せ替えれば同じハードを異なる用途に使えます。
例えばファブリックを構成する場合にも、SDNコントローラからスパイン/リーフスイッチを制御する形態や分散型ファブリック、あるいはオーバーレイ型のファブリックのどの構成も可能です。我々のこの“SDNファブリック”は、OpenStackやVMwareのITオーケストレーションツールとも連携できます。また、AnsibleやPuppet、CFEngineといった主要な自動化ツールとのインテグレーションも可能です。