図表は、ホワイトボックススイッチの使い方を示したものだ。
ホワイトボックススイッチは一度OS/ソフトをインストールした後も、必要ならOSを変更したり、OS上で稼働するアプリケーションを開発して機能を追加することもできる。その際に一からすべて開発する必要はなく、既存のOSをカスタマイズして足りない機能を補ったり、他システムとのインテグレーション部分だけを開発することも可能だ。
図表 ホワイトボックススイッチの活用方法 |
従来型スイッチの場合、別のOSの機能を使いたければスイッチを買い直す必要があったが、ホワイトボックススイッチなら、ハードは継続して用いながら中身だけ替えることができる。もちろん、逆にハードを替えて、OS/ソフトを継続して使うことも可能だ。
ハードとソフトのライセンスが紐付いていないため、不要になった方を捨てたり、入れ替えたり、機能を追加することが柔軟にできる。ベンダーロックインを排除し、ユーザー主導でライフサイクルをコントロールできるようになるのだ。
“壊れたら取り替える”で十分このようにハードとソフトの依存性がないことが様々なメリットを生み出す。
1つは、常に最適なハード性能とソフト機能を選択し、組み合わせて使えることだ。従来型スイッチでは適用する場所によってどうしても“余計な機能・性能”が生じがちだった。ホワイトボックススイッチなら、機能・性能をネットワーク全体で最適化できる。
2つ目はコスト削減だ。上記のように、目的に応じて必要十分な機能・性能を持つハード/ソフトが選択できることで導入コストを低減できるが、効果はそれだけではない。むしろ注目すべきは、運用コストの削減効果にある。
これまで高機能なネットワーク機器は、24時間365日対応のオンサイト保守のような手厚いサポートを付けて、壊れたら迅速に修理して使い続けることを前提としてきた。ホワイトボックススイッチではその前提が変わる。つまり、ソフト機能は使い続けながら、ハードは壊れたら代替機に交換することが可能になるのだ。
OSが入っていない安価な予備機を用意しておけば、稼働中のハードが壊れた際に、予備機に取り替えてソフトをインストールするだけで済む。壊れたハードはゆっくりと修理するか、あるいは捨てて高性能なものに買い替えてもいい。高額な保守費を支払う必要はなく、低額なセンドバック保守で事足りるのだ。