「現在の企業ネットワークは、非常に多数のレイヤとVLANで構成され、管理ポイントも多数ある。このため何か変更を加えれば、不具合やセキュリティ上の問題が発生する、非常に運用負荷の高い“繊細なネットワーク”となっている。ネットワーク管理者にとっては、“尽きない悪夢”だ」(ジュニパーネットワークス 技術統括本部長の加藤浩明氏)
こうした課題を解決するため、ジュニパーが2015年12月9日に発表したのが「Juniper Networks Unite」(以下、Juniper Unite)だ。クラウド時代にふさわしい企業ネットワークを実現する、新しいエンタープライズネットワークアーキテクチャだという。
現在のエンタープライズネットワークが抱える課題 |
ジュニパーはJuniper Uniteを実現する具体的なソリューション群もあわせて発表したが、これらは大きく「シンプル化」と「セキュア」の2つの軸で構成されている。
Juniper Uniteの全体像 |
「シンプル化」の中核を担うのが、ネットワークのレイヤをフラット化するためのソフトウェアである「Junos Fusion Enterprise」だ。
クラウド事業者などのデータセンターでは、コア-ディストリビューション-アクセスの3層構造のネットワーク構成から、フラットなネットワークへの移行が進んでいる。Junos Fusion Enterpriseは、エンタープライズでこのフラット化を実現するものだ。
フラットなネットワークをエンタープライズでも実現 |
同社のEX9200、EX4300が対象スイッチで、ファブリック技術により複数のスイッチを論理的に1つのスイッチとして扱えるようになる。「アクセススイッチがコアスイッチの延長として見えるようになり、運用負荷が大幅に軽減される」という。