IDC Japanは2015年1月21日、国内医療分野タブレットソリューション市場予測を発表した。
病院、一般診療所、歯科診療所、保健所などの医療、そして福祉/介護を合わせた2015年のタブレットソリューションの支出額は、前年比17.4%増の617億円になる見込みだ。ここでいうタブレットソリューション市場には、タブレット本体とその導入に付随する付帯設備、アプリケーション、サービス、保守費用などが含まれる。
IDC Japanによれば、医療現場では「タブレットのメリットである携帯性、高精細な画像、タッチによる優れたユーザーインターフェース」が評価されており、堅調に導入が進んでいるとのこと。導入事例としては、病院などの巡回診療、レントゲンなどの画像診断、地域医療や救急医療、健康診断や訪問介護などが挙げられるという。
さらに今後も、国内医療分野タブレットソリューション市場は、順調に成長していく見通しだ。その1つの要因が、医療情報連携ネットワークである。厚生労働省が2014年3月に示した「健康・医療・介護分野におけるICT化の推進化について」を受けて、各地域の医療・介護関係者が情報共有するための仕組みづくりがこれから加速していくが、そのための情報端末としてはタブレットなどのモバイル端末が主流になると見られるからだ。
IDC Japanでは、2013~2018年の年間平均成長率(CAGR)は15.0%、2018年に医療分野タブレットソリューション市場は792億円に拡大すると予測している。
国内医療分野 医療と福祉/介護タブレットソリューション支出額予測 |
同社リサーチマネジャーの片山雅弘氏は、「初代iPadから4年が経ち、初期のブームによるタブレットの導入は、ほぼ一巡した。これからは、導入の失敗を糧に改良を加え包括的な提案によって需要が喚起される新たなフェーズに入る」としたうえで「医療、福祉、介護を包括するシステムの連携が進み、健康に関するデータは、タブレットやスマートフォンのモバイル環境ら、いつでもどこからでもアクセスできることになる。そうなれば、需要がさらに膨らむことが期待できる」としている。