NTTドコモは2014年7月25日、2014年度第1四半期決算を発表した。営業収益は前年同期比3.4%減の1兆753億円、営業利益は同15.3%減の2096億円と減収減益だった。音声収入の減収や「月々サポート」の影響が大きい。ただ、年間計画に対する進捗率は営業収益は23.4%、営業利益は28.0%となっており、加藤薫社長は「年間計画に対し堅調に推移している。成長軌道の確立に向けて、順調な滑り出し」と説明した。
NTTドコモの加藤薫社長 |
新料金プラン「カケホーダイ&パケあえる」は6月1日の開始以来好調で、6月末時点で467万契約、7月24日時点で601万6000契約を突破。併せて純増数が大幅に拡大しており、第1四半期は46万契約と前年同期比5倍以上となった。また、MNPは前年同期の41万の転出超から、今期は9万の転出超と大幅に改善した。解約率も若年層が牽引する形で改善傾向にあり、第1四半期は0.67%となっている。
新料金プランで純増数は大幅に増加 |
ところで、新料金プランは通話定額制のために当初は減収効果が働くと見られていた。加藤社長によると、「想定していた以上に契約数が多く、減収の影響が大きめに出た」という。
ARPUは5120円で、前年同期から70円マイナスとなった。内訳は、音声ARPUが160円減少したのに対し、パケットARPUが40円、スマートARPUが50円増えた。今後は、パケットARPUおよびスマートARPUのさらなる増加を目指していく。このうちスマートARPUは、「dヒッツ」や「dマガジン」など「dマーケット」の中でも新たに開始したサービスが好調であることが増加につながったという。
今春に開始したdヒッツとdマガジンは順調に契約数を伸ばしている |
なお、総務省が2015年にも義務化するSIMロック解除について、ドコモではこれまでにもユーザーの要望に対応してきたが、実際に解除したのは3年間で約20万件にとどまっており、そのほとんどが海外で利用したいというニーズによるものだという。
また、クーリングオフ制度について、加藤社長は「なかなか難しい問題。お客様に混乱がないよう窓口の対応についても議論が必要になる。事業者として何ができるか考えていきたい」と語った。