ローカル5Gの普及拡大と周波数の有効活用に向けて、2026年に審議が再開したローカル5G検討作業班(主任:三瓶政一・大阪大学名誉教授)の第26回会合が10月23日に開かれた。
作業班は7月の審議再開後、関係事業者からのヒアリングを重ねてきた。事務局は今回、これまでに出た要望を「制度・解釈の見直し」「免許手続きの迅速化」「その他(干渉調整、端末利用環境)」の3つに整理して提示し、論点ごとに検討の方向性を示した。

ローカル5G検討作業班における論点(出典:事務局資料)
制度・解釈の見直しに関しては、(1)細長い自己土地からの漏えい電波エリア(他者土地)を自己土地と同様に運用できるような制度化を望む意見や、(2)自己土地利用時の証明書類の代替(参考記事)、(3)携帯電話トラフィックのオフロード利用の開放などが挙げられた。
(1)は、鉄道線路や道路といった細長い自己土地を所有する鉄道/高速道路事業者の要望であり、漏洩電波のエリアを自己土地と同様に運用できる制度に加えて、道路の構造上どうしても生じる隙間エリアも含めた一体的なエリア設計を認めるような、自己土地利用の適用範囲の柔軟化を望む意見もあった。
これについて事務局からは、ローカル5Gの無秩序な場所取りを誘発し、自営目的での新たな利用を阻害してしまう可能性も考慮した上で、漏洩電波エリアが他者土地であっても自己土地相当と見なすことの妥当性、そして、その場合に付すべき条件として何が考えられるかといった論点が示された。例えば、漏れ電波によるみなし自己土地エリアの優先度はどうするか、鉄道や道路等の公共事業とそれ以外の扱いを同様にして良いかといった点が、今後検討される。
(3)は、携帯網が混雑するスタジアムやアリーナ等において、決済用端末や撮影用カメラといった業務用端末向けにローカル5Gをオフロード用途に使うといった利用シーンを想定したものだ。これらについて、事務局から「ローカル5G制度の本来趣旨との関係をどのように考えるか」との論点が示された。
基地局移設や可搬局の手続緩和も論点に
免許手続きの迅速化に関しては、基地局移設や可搬局の手続き緩和などが論点として挙げられた。
建設現場のように、工事の進捗に合わせてアンテナや基地局を移動させざるを得ない状況において、あらかじめ業務範囲外への影響を生じさせないことを保証した上で、移設利用が可能となるような免許制度を求める意見がある。
現在、アンテナの移設は届出で対応可能だが、市場では、コア機能と一体化した基地局が主流になってきており、そうした一体型・可搬型システムの利点を活かせるような仕組みが求められている。また、無線局免許の迅速化に関して、1つの無線局について複数の設置場所を1つの免許で申請可能とすることで、免許申請の負担と所要時間を減らすことができないかという意見も挙がっている。
これらに対して、構成員の増山大史氏(NTT東日本)は、「当初は、(ローカル5Gの)利用がどの方向に広がるかを予想できず、抑制的な制度設計になっていた面がある。だが、現在の実態を踏まえ、ローカル5Gを必要とするユーザーの要望にできる限り応える方向で、制度面・技術面を立て直すことが必要ではないか」と述べた。ローカル5G制度の開始から6年が経過したことを踏まえ、自己土地利用を中心とする形に制度を改善しつつ、他者土地の扱いも検討すべきとの考えを示した。
また、構成員からは、事務局が整理・提示した論点は計11点に及び、数が多いため、継続して個別に深掘りする必要があるとの指摘もあった。事務局は本会合のほか「別の場も含めた進め方を調整する」と回答。三瓶主任と相談のうえ、今後の方針を決めるという。













