第三者機関による干渉調整手法を検討
こうした論点の中でも、ローカル5G検討作業班で議論が集中しているのが「干渉調整の高度化」だ。
ローカル5Gでは、隣接する他の免許人の無線局とカバーエリアや調整対象区域が重なる場合、免許申請前に当事者間で干渉調整を行う必要がある。ただし、電波の知見や経験が乏しく調整が進まない、無線局諸元のやり取りが何度も発生しNDAの締結を求められる、といった課題が指摘されてきた。
こうした課題に対し、総務省は技術試験事務「ローカル5Gの干渉調整手法の高度化に向けた調査検討」を進めている。今回の会合では、これを受託したドコモ・テクノロジが進捗を報告した。
業務フロー案では、申請者が第三者機関(運用調整機関)に調整を依頼し、第三者機関が干渉調整シミュレーションツールでエリア図を作成。調整が必要な既存免許人を申請者に通知する。
干渉調整が必要と回答があった場合は、申請者は、指定された既存ローカル5G免許人と事業者間調整を行い、合意後に総務省へ免許申請する。免許の判断主体が総務省であることは変わらない。あわせて、調整相手の特定から連絡、調整、合意までの手順を定めるガイドラインも策定する。
シミュレーションツール開発の狙い
干渉調整シミュレーションツール開発の狙いは、エリア図の形式や詳細度の統一にある。現状は申請者が独自のツールで作図しており、提出されるエリア図は三者三様だという。

シミュレーションツールによる干渉調整イメージ(出典:ドコモ・テクノロジ資料)
開発中のシミュレーションツールにはアンテナパターン入力、エリアの重複表示、出力やアンテナ角度、基地局位置の変更による調整例の可視化が想定されている。現在は安全側に立ってピーク利得で円を描くケースが多く、指向方向と関係のないバックローブ側の重なりで、本来は不要な調整が生じ得るという。送信電力の低減やチルト角の変更でエリアの重なりがどう変わるかを可視化する機能も備える。
ただし、検討範囲は同期/準同期(TDD1)のローカル5G同士、陸上利用に限られ、実証実験もSub6帯のみで行う。
質疑では、三瓶主任が、審査基準の電力値による判定だけでは、隣接システムの端末が報知信号を受信してハンドオフを繰り返すといった影響を捉えきれない可能性を指摘した。東京電機大学の今井哲朗氏は、ツールを申請者と既存免許人の交渉にも使う想定かを質問。いずれも今後の検討課題とされた。
本調査は2026年度末までの予定で、必要があれば技術的条件の改正案を取りまとめ、作業班に提示する考えだ。













