ビーマップは2025年11月25日、豪シドニーにおいて、Wi-Fi HaLow(IEEE 802.11ah)の高出力(200mW)モードを用いた実証実験を行い、約6km離れた拠点間での長距離音声通信に成功したと発表した。
日本国内の電波法において、Wi-Fi HaLowの送信出力は最大20mWに制限されているが、総務省では「850MHz帯」をWi-Fi HaLowに追加割り当てし、送信出力を200mWへ引き上げる技術検討が進められている。ビーマップでは、国内市場の規制緩和に先駆け、すでに200mWの送信出力が許可されているオーストラリアにて実証実験を実施した。
今回の実証では、シドニー市内の高台に位置するポート・ジャクソン湾を望むホテルの7階にアクセスポイントを設置し、直線距離で5.8km離れた対岸のワトソンズベイ(Watsons Bay)に端末を配置して通信試験を行った。なお使用機材には、豪モースマイクロ製のWi-Fi HaLow向け最新SoC「MM8108」を搭載した評価キット「MM8108-EKH01-01」を用いた。

ホテル7階に設置したアクセスポイント
結果、約5.8km離れた地点において、平均通信速度500kbpsを記録。これは、Wi-Fi HaLowの一般的な通信距離である約1kmを大幅に上回る距離だという。また、音声通信試験においては、セーバーが開発したインカムアプリケーションを使用。明瞭な音質での通話に成功し、音声品質を測る指標であるMOS(平均オピニオン評点)において、「3相当(通常の会話に支障がないレベル)」を確認したとしている。












