ソフトバンクは2025年10月23日、シスコシステムズと連携し、光電変換が不要な光伝送技術によって通信ネットワークの大幅な省電力化を実現する「All optical network」を、全国のメトロネットワークへ展開すると発表した。第一弾として、9月に大阪府への展開が完了しているという。
All optical networkの新たな展開範囲
このAll optical networkは、IPネットワークと融合している点が特徴の1つだ。具体的には、IPルーターにシスコ製400Gコヒーレント型光トランシーバー「OpenZR+」を搭載し、途中区間での光電変換を一切行わないAll optical接続を可能にする。これにより、消費電力を帯域当たり約90%削減できるという。
SRv6(Segment Routing IPv6)などもあわせて活用することで、コア(データセンターなど)からエッジ(基地局など)までのエンドツーエンドの制御など、一般的なAll optical networkでは困難とされてきた大規模で柔軟な経路制御を実現できるとしている。
従来のネットワークとAll optical networkの比較
また、シスコが新たに開発した、ルーターに直接搭載できる手のひらサイズの光増幅モジュール「QSFP-DD OLS」を採用。このモジュールに合わせてソフトバンクが独自に開発した、外部電力不要の光多重装置(最大6.4Tbps)を組み合わせることで、小型・省電力でありながら拡張性を備えた、最適なメトロネットワークを実現可能だという。
簡易型All opticalアーキテクチャー
さらに、All optical networkに接続するIPルーターには、シスコ製の400GbE対応の最新チップ「Silicon One Q200」を搭載し、大幅な性能向上を図る。Silicon One Q200を活用することで、従来比で約7倍のスイッチ容量を実現しながら、消費電力を約1/2に削減できるとのことだ。